出光興産は12月21日、同社とOriental Petrochemical(Taiwan)Co.,Ltd(OPTC)、丸紅の3社が、植物などを由来とするバイオマスナフサを原料とした、バイオマス高純度テレフタル酸(バイオマスPTA)のサプライチェーンを構築することに合意したことを発表した。
バイオマスPTAの製造は、台湾において2024年の開始を予定している。台湾でのバイオマスPTAの製造は初めての事例。
同サプライチェーンでは、同社がマスバランス方式にてバイオマスナフサからバイオマスパラキシレン(バイオマスPX)を製造する。PET樹脂において世界有数の製造会社であるFar Eastern New Century Corporationのグループ会社で、PTAメーカーのOPTCがバイオマスPXを原料としてバイオマスPTAを製造する。丸紅は、サプライチェーン構築における全体のマネジメントやバイオマス製品のマーケティングを担う。
PET樹脂はペットボトルなどの原料となるプラスチックで、約70%のPTAと約30%のエチレングリコールで構成されている。バイオマスPTAとバイオマスエチレングリコールを使用することにより、100%バイオマス由来のPET樹脂の製造が可能となる。バイオマスエチレングリコールは、既に普及しているバイオマスエタノールを原料とするため製造が進んでいるが、PTAのバイオマス化が課題となっていた。
同サプライチェーンでは、PTAの原料であるPXをバイオマス化することでPET樹脂のバイオマス化に向けた課題を解決するとともに、CO2排出量の削減に寄与する。
同事業のサプライチェーン図バイオマスナフサは、植物を由来とする原材料などから製造されることから、石油由来のナフサと比べてCO2排出量を抑制することが可能。出光興産が製造するバイオマスナフサ由来のバイオマスPXは、持続可能な製品であることを証明する国際認証「ISCC PLUS認証」を取得している。またOPTCも、2024年に「ISCC PLUS認証」を取得予定。
3社は、今回新たに構築したサプライチェーンを通して、プラスチック産業のCO2削減および低炭素社会の早期実現に貢献していく。
2023年12月22日