■ 新年インタビュー
新しい市場にも積極的に対応
タイガースポリマー 澤田宏治社長
24年3月期通期業績予想を上方修正したタイガースポリマーの澤田宏治社長。澤田社長に23年の業績を振り返りつつ、海外拠点の現況、24年の抱負などについて語ってもらった。
◆23年の上半期を振り返って。
上半期を振り返ると、自動車の半導体不足の解消による自動車産業の回復や円安による為替換算上の影響に加えて、海外市場が非常に好調に推移した事などにより増収増益となった。国内では自動車部品の販売は下期にかけて増加傾向だったが、家電用ホース・産業用ホースは減少傾向となった。またシート事業でも半導体関連でフッ素ゴムやシリコーンゴムが苦戦したが、国内業績は全体的には横ばいで推移した。
ここ数年は全事業が好調ということはあまりなく、好調と不調が斑模様に入れ替わっているが、当社は幅広く事業展開をしており、大きく業績が落ち込むことは少なくなっている。
◆海外拠点の現況は。
米州は自動車部品・産業用ホースともに販売の増加に加えて、円安による為替換算上の影響もあり、増収増益だった。製品が入れ替わり、不採算製品がほぼなくなったことが利益を押し上げた。
東南アジアでは、自動車部品のタイ国内や米州向け販売が増加した。一方、マレーシアは家電用ホースの販売が低調だった。
中国では自動車部品・家電用ホースともに販売が減少したが、下期になり多少需要が戻りつつある。
◆来期の見通しは。
自動車関連は下期にかけて回復が進んでおり、通期でも堅調に推移していくとみている。工業用品でも、大きな変化はなく順調に推移するだろう。ただ、海外は不透明な要素があり、米国の景気動向や中国の市況動向には注視していきたい。24年3月期通期業績予想については前回予想を上方修正した。
◆課題を挙げると。
海外拠点では、とくに米州、国内でも人材確保が難しい。そのためにも、生産現場