■ 新年インタビュー
会員交流を図り行事の参加率高める年に
日本ゴム協会 網野直也会長
23年5月の年次大会で企業として6年ぶりに会長になった日本ゴム協会の網野直也会長(横浜ゴム)に、23年の活動、現状の課題、IRC2026、会長としての抱負などについて尋ねた。
■23年の活動は。
新型コロナが感染法上5類に変更されたため、日本ゴム協会の3大行事である年次大会や夏期講座、エラストマー討論会は対面で開催したほか、久しぶりにミキサー(懇親会)も開くことができた。対面で開催することができて、改めて対面でコミュニケーションの大切さを実感した。
ただし、企業側の立場からすると、年次大会やエラストマー討論会などの発表は、リアルとオンライン形式のハイブリットで実施すれば、遠方の方でも参加できるメリットを感じている。
■現状の課題について。
行事への参加人数の減少が挙げられる。参加人数は、コロナ前まで少し足りない状況だ。当協会でも参加人数の目標を掲げようと計画している。交流を進めていくためにも、多くの人に参加してもらわないといけない。
また会員の減少がある。個人会員の減少が続き、企業会員もコロナ前の状態まで回復していない。ただし、学生会員は年々増加している。当協会に入会していなくても、ゴム材料を研究している先生や企業様も多くいる。そこをいかに取り込むかが課題になってくる。
■2026年のIRC2026の開催について。
前回は2016年にIRC2016を北九州で開催して以来、日本では10年ぶりの開催となる。今回は、2026年11月に愛知県にあるAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で予定している。
IRCは、世界に日本のゴム技術をアピールする大事な場だ。欧州や米国は製品に焦点を当てた実用研究が多いが、日本はゴム材料の基礎研究が多い。日本のゴムの基礎研究のレベルは高いと思っている。IRC2026では、日本のゴム技術の高さを多くの国の方に見ていただきたい。その準備を24年から本格的に進めていく。
■会長になっての抱負は。
一つは、斎藤拓前会長から引き継いでいる会員相互の交流を図ることは、大事にしていく。そのなかで参加人数を増やすことが重要だ。
次に、当協会自体も若返りを図ることが必要だ。そのため若手が参加できる研究会みたいなものを作りたい。若手が年次大会やエラストマー討論会の運営にできるだけ参加してもらい、将来の当協会を支えていただけるような人材を確保していきたい。最後に、会員の皆様には、日本のゴム産業あるいは研究全体を盛り上げていただくために、当協会をうまく活用してもらいたい。
■サステナブルへの取り組みについて。
サステナブルへの取り組みは、避けて通れないテーマだ。当協会として、最近では、サステナブルに関するテーマで講演会を実施している。23年のエラストマー討論会では、経産省の方を招き、国が考えているサステナブルやGX(グリーントランスフォーメーション)の活動について話していただいた。また24年の年次大会も、サステナブルのセッションを計画。今後もサステナブルに関する情報を集めて会員に提供していく。
■24年の活動方針は。
3大行事である年次大会、夏期講座とエラストマー討論会を実施していくほか、研究部会のシンポジウムも計画している。多くの人に参加してもらうため、オンライン形式でできる行事は、対面とオンライン形式のハイブリットで開催していければと思う。もちろん、交流を深めるための懇親会も開いていく。
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