■ 新年インタビュー
メリットを感じる組合活動を目指す
中部工業用ゴム製品卸商業組合 加藤已千彦理事長
23年度はコロナ前の組合活動に戻すことができた中部工業用ゴム製品卸商業組合。加藤已千彦理事長に中部地区の景況感をはじめ、23年の組合活動、今後の組合の課題などについて聞いた。
■中部地区の23年の景況感は。
コロナ禍でサプライチェーンが寸断されていたが、世界的に新型コロナウイルスが収束したため、順調に回復してきた。また、半導体の品不足も徐々に解消されている。特に、中部地域は自動車産業が中心のため23年秋以降は、自動車の生産も回復してきた結果、需要も喚起された。ただ、中国経済が低迷なため、工作機械の需要は低調だ。業界ごとに回復のスピードがまだら模様になっている。
■23年の組合活動を振り返ると。
23年5月の総会で、組合活動を正常化させることを挙げていたが、23年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置づけられたことにより、ほとんどの組合活動を行えたのは良かった。またコロナ禍、組合行事で人を集めて開催することが難しい場合には、ウェブを活用した研修会も試みた。
ビジネスミッションは毎年、海外市場の状況などを把握するために海外工場を見学していたが、コロナ禍で中止となり、国内視察に切り替えていた。23年11月には、4年ぶりに特殊加工機メーカーの碌々スマートテクノロジー㈱の静岡工場を視察した。
■組合の課題について。
組合員の会員の減少が課題だ。現在、会員数の減少は横ばいだが、廃業や後継者不足などで、今後減少傾向になっていく可能性がある。組合の会員数を増やすために、組合活動にメリットを感じていただけるような事業を行っていかないといけない。例えば、愛三岐支部、静岡県支部、北陸支部があるが、とくに北陸支部は対面で参加することが難しい。遠方でも研修会に参加できるようにWEBを活用し、リアルとWEBのハイブリット形式で行っていく。また、商品展示説明会などを開催することで、賛助会員を増やすこともひとつの考えだと思う。
さらに、組合の若返りを図るために、愛三岐支部では若手に組合活動を積極的に経験してもらうようにしはじめた。
■中部地区の24年の景況感は。
24年は23年よりは景気が良くなると見込んでいるが、米国の選挙の動向をはじめ、ロシアのウクライナへの侵攻、中国の景気低迷など先行き不透明感が強い。
■24年の組合活動について。
コロナ前と同様な組合活動を行っていく。ただ、100人近くなるような社員交流会などは状況を見て開催するかどうかを判断していく。新年賀詞交歓会では、コロナ禍では着席だったが、今回から従来のような立食形式に戻したため、会員同士で交流を深めてもらいたい。23年に開催したビジネスミッションは国内視察だったが、今後は海外視察も視野に入れている。そのほか、脱炭素社会に向けて社会全体が変わりはじめるなか、不安な会員が多いと思う。組合として不易流行の考え方で情報発信をできたらいいと思っている。
■24年の抱負について。
新型コロナウイルスが収束し、脱炭素社会が進むなか、新しく社会が変わっていくだろう。その変化をいかに捉え、その後に来る大きな変化に備える年にしていきたい。
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