年頭所感 旭化成 工藤幸四郎社長

2024年01月11日

ゴムタイムス社

「生産性の高いレジリエントな組織となって激しい変化を乗り越えよう」

 2024年を迎えるにあたり、新年のご挨拶を申し上げます。まず、本年1月1日に発生しました能登半島地震により、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。そして、被災地における今後の安全と一日も早い復興をお祈りいたします。当社取引先の皆さまも大変な状況にありますが、復旧に向けて旭化成グループとしても、北陸地域がまた活性化できるよう一緒に歩んでいきたいと思います。

 さて、ちょうど一年前に「2022年は予想もできないことが起きた激動の一年であったが、2023年も想定しきれないことが起こることを覚悟する必要がある」という話をさせていただきましたが、その言葉どおり2023年もさまざまなことが起こりました。残念ながら世界情勢はいっそう不安定さを増しており、2024年も引き続き予測不能なことが起こることを覚悟する必要があると思います。

 このような変化の時代において、皆さんに心がけていただきたいことが二つあります。
 一つ目は、生産性向上への取り組みを加速させることです。長く続いたデフレからインフレへの転換はここ数年でかなり進みました。また、日本においては異次元の金融緩和の出口も見え始め、利上げへの転換も視野に入ってきました。それに伴い円安から円高に振れる可能性を覚悟する必要があると感じています。さらに、労働力不足や物流の2024年問題も深刻な課題であり、さまざまなコストが程度の差こそあれ増加することは間違いありません。

 このような変化を乗り越えるためには、それぞれの職場で生産性向上の決意を強く持ち、どこまで実行できるかが重要です。生産性向上は、無形資産を最大活用した業務革新、そして成長戦略を軸としたポートフォリオ変革、この二つの掛け算によって実現されます。「変革待ったなし」の気概で、それぞれの職場で生産性向上にむけたアクションの実行をお願いします。

 二つ目は、予測困難な変化への耐性とその対応力を磨くことです。常に世界情勢変化への感度を研ぎ澄まし、レジリエントかつアジャイルに対応するために必要なアクションをそれぞれの事業、組織で実行していただきたいと思います。また、自らの成長は自らでつかみ取る気概も重要です。事業のグローバル展開において諸外国の優遇政策を最大限活用することは言うまでもありませんが、自立した強い事業でなければ持続的な成長を実現することはできません。予測困難な変化の時代において、変化に対応する柔軟性、回復力を磨き、社会の変化を機会と捉えられるような組織を目指してください。

 4月からは中期経営計画の最終年度となる2024年度も始まります。目標達成に向けて旭化成グループ一丸となって頑張っていきましょう!

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