ゴムベルト コンベヤ輸出  初の1万㌧突破へ

2012年01月18日

ゴムタイムス社

 内需微減も外需は好調維持

 ゴムベルトの2012年の需要見通しを探ってみた。日本ベルト工業会は同工業 会の理事長年頭所感で需要予測値を発表したが、それによると12年度の生産量予測 は3万3305㌧、11年実見込み比で107%と7%台の成長予測。

 2011年は、東北地方に甚大な被害をもたらした東日本大震災や西日本を中心 に被害をもたらした大型台風による豪雨、さらには日系企業の多くが進出している タイでの洪水など、大規模な自然災害が発生し、国内外のゴム・樹脂ベルト産業も 大きな影響を受けた。
 震災関連では、石炭火力発電所や製鉄工場の設備復旧でコンベヤベルトの緊急的 な需要が発生したが、その一方で、自動車減産の影響で伝動ベルト需要が一時減少 した。タイの洪水被害も今後、ゴム・樹脂ベルト産業にどのように影響するか、懸 念されるところ。
 2011年年間の生産見込みであるが、日本ベルト工業会の予測では、ゴムベル ト生産量は3万1171㌧とした。11年度は、大震災や台風など自然災害の影響を 受けたが、後半には復興需要や活発な資源国向けの需要に支えられ、3年ぶりに3 万㌧の大台に乗る見通し。
 市場別では、内需が2万1446㌧、前年度比101%、輸出は9725㌧、同 129%の見込みで、国内は横ばいながら外需が3割近い高い伸びとなる。
 一方、12年度のゴムベルト生産量予測は3万3305㌧、前年実績見込み比107%。
 内訳は、内需が2万
1038㌧、同98%、輸出は1 万2267㌧、同126% と引き続き高い伸びが予測された。内需は経済環境が好転せず微減の見通しである が、輸出は資源国向けを主体に伸長予想。ただし、円高の継続や原材料価格の高止まり、需要先の海外生産シフトなど先行きは不透明。
 品種別生産動向は次の通り。
 〈コンベヤベルト〉
 11年度の内需は石炭火力向けなど震災復興需要もあり前年比微増の見込み。輸出 は旺盛な資源国需要に支えられ大幅に増加する見通し。
 12年度の需要予測は1万9797㌧、前年比114%。2年連続の2ケタ増で2 万㌧台に迫る生産量が見込まれた。内訳は、内需が9261㌧、同100%で横ば い、輸出は1万536㌧、同131%と大幅に増加し、初めて1万㌧の大台に達す る見通し。輸出は資源国の増大する需要で、大幅な伸長が見込まれる。
 〈伝動ベルト〉
 11年度は需要の約半分を占める自動車生産が大震災やタイの洪水などにより影響 を受けたが、一般産業向けなどが比較的好調に推移し、前年並みの生産量が確保で きる見込み。
 12年度の需要予測は1万3509㌧、同98%。内訳は、内需が1万1777㌧、 同97%、輸出は1732㌧、同103%。タイの洪水など自然災害や円高による影 響が続き、第1四半期は低調予想であるが、第2四半期より徐々に回復すると思わ れる。年間では、第1四半期の影響で前年割れが予想された。

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