川口化学工業の23年11月期連結決算は、売上高が86億1000万円で前期比2・9%増、営業利益は3億5300万円で同20・4%増、経常利益は3億4400万円で同13・8%増、当期純利益は2億5500万円で同16・8%増となった。
セグメント別では、化学工業薬品事業の売上高は85億7200万円で同2・9%増、セグメント利益は3億2300万円で同22・7%増となった。ゴム薬品の売上高は45億5200万円で同0・4%増となった。国内の工業用品向け製品は、半導体不足などの供給制約が緩和し自動車生産の回復、自動車ゴム部品関連企業向け製品の売上は増加した。タイヤ向け製品は、原料価格高騰により競争力が低下しシェアを失った製品もあり販売数量は前年を下回ったが、原料、エネルギーコスト上昇分を製品価格に転嫁できたこともあり、売上は前期並みを確保した。合成ゴム向けは、自動車生産の回復により販売が回復した製品もあるが、全体では海外需要低迷による顧客における生産調整の影響を受け売上は前年を下回った。医療用ゴム用途向け製品は、顧客での在庫調整もあり売上は前年を下回った。海外向けは、中国市場における景気低迷の影響を受け、販売数量は減少したが、コスト上昇分を製品価格に転嫁できたことにより、売上高は前期並みを確保した。
樹脂薬品部門合計の売上高は9億900万円で同16・1%減となった。アクリル酸・アクリル酸エステルの需要が低迷し主要顧客での稼働が低下したことにより、同社主要製品である重合防止剤の売上は、国内向け、海外向け共に減少した。加えて、電子材料関連での需要回復の遅れもあり、売上高は前期を下回った。
中間体部門合計の売上高は13億3200万円で同8・9%増となった。医薬中間体は、同社主力製品である医療用途脱水縮合剤の製造販売に注力、売上は国内を中心に前期を上回った。界面活性剤中間体は、主要製品の需要が回復したことにより売上は前期を上回った。染顔料中間体は、急速な需要の減少があったが、通期では前期並みの売上を確保した。
24年11月期の連結業績予想は、売上高が90億円で前期比4・5%増、営業利益は3億円で同15・2%減、経常利益は3億円で同12・9%減、当期純利益は2億円で同21・7%減を見込んでいる。
2024年01月18日