イノベーション・アワード受賞 ダウが8年連続

2024年01月18日

ゴムタイムス社

 ダウは1月17日、2024年ビジネス・インテリジェンス・グループ(BIG)イノベーション・アワードを6件受賞したと発表した。
 8年連続の受賞であり、単年の受賞数は同社として過去最多となる。
 この年次アワードは、新しいアイデアを革新的な方法で実現する組織、製品、人材を表彰するもの。世界中の企業、組織が最新のイノベーションを応募し、有志のビジネスリーダーや経営幹部によるグループが審査する。同社の製品は化学および製造のサブカテゴリーで評価された。
 2024年 BIGイノベーション・アワード受賞製品は、EcoSense2470界面活性剤、SYL―OFF7920NFエマルションコーティング、ELECPURE電子グレード溶剤、DOWSIL2080樹脂、RHOBARR135バリアコーティング、DOWSIL TC―6032高放熱封止材となる。
 EcoSense2470界面活性剤は、洗剤メーカーに持続可能な未来のエコシステムの一員になる機会を提供する。リサイクルしたカーボン素材は高い性能と最先端の気候テックを組み合わせ、洗濯用洗剤や硬質表面クリーナーなど多数のホームケア製品に品質と環境上のメリットを与える。従来の化石系界面活性剤の性能を損なうことなく、新たな循環型炭素経済を可能にする。ホームケア製品において、界面活性剤の製造に炭素回収をベースとした新しいアプローチを活用できるようになった。
 SYL―OFF7920NFエマルションコーティングは、感圧接着剤に対して優れた剥離性を発揮する高度なソリューションとなる。撥水性、強靭性、耐久性を備え、非移行性、非ブロッキング性、優れたせん断安定性を提供する。ユーザーは、その製品用途において、比類のない低発泡性と長寿命を体験できる。
 ELECPURE電子グレード溶剤は、電子デバイス製造において電子材料の清浄度と効率を確保する上で重要な役割を果たす超高純度化学品となる。革新的でエネルギー効率の高い精製プロセスで開発し、30種類以上の金属イオンを1兆分の1レベルまで除去する。同社の精製プロセスは、従来の方法よりも消費エネルギーを90パーセント削減し、カーボンフットプリントを減らす。製造効率の向上、デバイス寿命の延長、全体的な性能向上につながり、エレクトロニクス業界を再構築する。この製品は、半導体、ディスプレイパネル、そのほか様々な課題のあるアプリケーションの製造工程において、フォトレジスト、カラーレジスト、シンナー、フォトレジストリムーバーに使用でき、生産性とデバイス性能を向上させ、次世代デバイスを実現する。これらの素材は同社の持続可能性目標に合致しており、その卓越性が評価されている。
 DOWSIL2080樹脂は、有機樹脂と化学反応してシリコーン有機共重合体を形成する無溶剤型液状シリコーン樹脂となる。独自構造と低い自己縮合傾向から無溶剤型プロセスに適しており、固体のシリコーン有機共重合体を形成することができる。共重合体は、耐熱性粉体塗料の高品質バインダーとして機能し、外観を向上させる。フレーク状のシリコーン樹脂と固体の有機樹脂を混合する従来の塗料とは異なり、非相溶性の問題を解決する。バインダーとして使用すると、優れたレベリング性、光沢、耐熱性能を維持した高品質の塗料となる。
 RHOBARR135バリアコーティングは、食品包装の紙および板紙コーティング用に設計した水性ラテックスとなる。この汎用性の高いエマルションは、既存の水性コーティングや印刷方法に対応し、オーブンや電子レンジなどの高温用途での使用に適している。高温の油、グリース、脂肪酸に対する優れたバリア性、耐ブロック性、フィルムの柔軟性があり、折り畳んだ後も性能を維持する。フルオロカーボンを意図的に添加せずに製造し、認定された再パルプ化やリサイクル可能なソリューションを提供することで、より安全で持続可能な耐油性・耐グリース性の食品包装を求める市場のニーズに対応する。
 DOWSIL TC―6032高放熱封止材は、1対1の割合で混合した2液型製品であり、電子部品や電気部品の効率的な放熱のために設計した多用途で流動性のあるソリューションとなる。流動性があるため、調剤後に簡単に充填して自己水平化することが可能となる。この熱硬化性封止剤は高放熱フィラーとポリジメチルシロキサンで構成し、車載充電器、インバーター、コンバーター、トランス、効果的な熱管理を必要とする繊細な部品を含む様々なアプリケーションに最適となる。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー