デンカは1月17日、ペガサス・テック・ベンチャーズと共同で運営するCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンドを通じて、ウェアラブル生体センサを開発するスタートアップ企業Epicore Biosystems Inc.(Epicore社)へ出資したと発表した。
Epicore社はマイクロ流路技術を核とし、汗中のバイオマーカーや発汗状態を、皮膚に貼ったウェアラブル生体センサを介してセンシングし、身体状態を分析する技術プラットフォームを開発しており、同社は昨年夏より事業化に向けてEpicore社と協業検討を進めてきた。Epicore社は米国においてパッチタイプの生体センサをアスリート向けに市販化し、さらには熱中症対策として発汗量や電解質の損失をリアルタイムでモニタリングでき、適切なタイミングでの水分補給を推奨する高度なウェアラブルIoTセンサを開発している。
Epicore社への出資は、CVCファンドを通じた第1号の投資案件であり、今回の出資を通じて、Epicore社の製品のアジア市場展開の支援や医療用途に向けた新製品の共同開発などで連携を図っていく。さらに、同社がヘルスケア分野で取り組む「予防・診断・治療」の領域において、Epicore社の技術を応用し、在宅医療にも適用可能な新たな生体センサを共同開発することでヘルスケア事業のさらなる深化を目指す。
同社は経営計画「Mission2030」において、世界各国の最先端の技術を持つスタートアップ企業への出資や提携を行うことで新規事業創出を推進するために、昨年1月にCVCファンドを設立した。CVCを通じた取り組みには、2030年度までに最大で約1億米ドルの投資を計画している。
同社はこれからも、「化学の力で世界をよりよくするスペシャリストになる」というパーパスのもと、世界に誇れる化学で、人々の暮らしと社会に貢献し続ける。
2024年01月18日