JNCエンジニアリング(JNCE)と出光興産は1月31日、出光興産の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパン(CRJ)の油化ケミカルリサイクル装置を建設する際に発生する使用済みプラスチックの再資源化(油化ケミカルリサイクル)に向けた取り組みを開始すると発表した。
CRJでは、出光興産千葉事業所の隣接エリアに油化ケミカルリサイクル装置(商業運転開始予定2025年度)の建設を予定しており、同装置の設計・建設をJNCEが行う。
同取り組みでは、同装置を建設する際に発生する使用済みプラスチックをJNCEが細かく分別・回収する。同使用済みプラスチックを原料とし、CRJが油化ケミカルリサイクル技術により生成油を生産し、出光興産の石油化学製品や燃料油の原料として利用可能かを確認する。
また、同装置完工後には、出光興産の石油精製・石油化学装置を活用し、同取り組みで発生する使用済みプラスチックや、JNCEが他の装置を建設する際に発生する使用済みプラスチック由来の生成油を原料とした「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」の生産を目指す。
JNCEは、JNCグループの一員として、JNCグループが2023年7月に掲げたサステナビリティマネジメントを推進しており、社会の持続可能性に配慮した経営を強化するとともに、持続的な企業価値の向上を目指している。JNCEは「地球環境の保全」、「安全の維持」、「安全な製品の供給」、「企業倫理意識の徹底」、「社会との率直な対話」を基本理念に据え、社会に有用な製品・サービスを供給し続けることで、サステナブルな未来の実現に貢献していく。
出光グループは2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年ビジョン「責任ある変革者」、2050年ビジョン「変革をカタチに」を掲げている。中期経営計画(対象年度2023~2025年度)では、「一歩先のエネルギー」「多様な省資源・資源循環ソリューション」「スマートよろずや」の「3つの事業領域」の社会実装を通して「人々の暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たしていくことを表明した。
油化装置建設時に発生する使用済みプラスチックの再資源化の取り組みは、出光興産が中期経営計画にて表明した3つの事業領域のうち「多様な省資源・資源循環ソリューション」の社会実装に向けた取り組みの一環となる。
両社は同取り組みを通じて、カーボンニュートラルおよび循環型社会の実現に向けて取り組んでいく。
2024年02月01日