積水化成品工業の24年3月期第3四半期連結決算は、売上高が975億9200万円で前年同期比4・8%増、営業利益は4億9200万円で同205・4%増、経常利益は7億6800万円で同220・8%増、四半期純損失は2億4400万円(前年同期は2億4500万円の純損失)となった。
セグメント別では、インダストリー分野の売上高は601億3700万円で同12・5%増、セグメント利益は8億500万円(前年同期はは7億5000万円の損失)となった。モビリティ領域における「ピオセラン」(ポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体)の販売は、自動車部材用途では、上期前半は一部自動車メーカーで部品不足の影響が残ったものの、自動車生産台数の回復を背景に好調に推移した。部品梱包材用途では、地域によっては、電動部品梱包用途での需要が一巡したところもあり、全体として前年を下回った。また、トラック、バス向けのFRP(繊維強化プラスチック)部材ならびに 関連資材などで新たな需要を取り込み好調に推移した。
エレクトロニクス領域においては、「テクポリマー」(ポリマー微粒子)の液晶パネル等の光拡散の用途では、 液晶パネルメーカーの在庫調整が解消され需要が回復し、順調に推移した。パネル搬送資材・梱包材用途での 「ピオセラン」は、台湾での需要は回復、好調に推移したが、中国では国内消費の低迷により需要回復が遅れ前年を大幅に下回った。
ヒューマンライフ分野の売上高が374億5400万円で同5・5%減、セグメント利益は15億5900万円で同16・7%減。食領域においては、食品容器用途は食材価格の値上げの影響も受け、内中食関連向けの需要は伸び悩みとなった。 農産用途は生育不良や天候などの影響もあり出荷が伸びず、水産用途も漁獲量の減少傾向が継続し低調に推移した。売上高は価格改定による増加はあったが、全体的には前年を下回る結果となった。住環境・エネルギー領域においては、屋上緑化関係での物件獲得は進んだが、建材用途・土木用途は工事物件の進捗遅れなどがあり低調に推移した。
24年3月期通期予想は、売上高は1300億円で同4・3%増、営業利益は13億円で同63・9%増、経常利益は17億円で同141・3%増、当期純利益は5億5000万円で同21・5%増を見込んでいる。