日本ベルト工業会が発表した23年のゴムベルト生産量(新ゴム量)は合計で1万9411tで前年比7・0%減となった。ゴムベルト生産はコロナ感染拡大に伴う需要減から20年は1万9389tで同21%減と大幅な落ち込みとなった。その後21年は2万1871tで同13%増、22年は2万870tで同5%減と2万tを維持していたが3年ぶりに2万tを下回った。
23年の内需はコンベヤが同12・0%減、伝動ベルトは同3・0%減となり、生産量合計は1万4220tで同7・0%減。輸出はコンベヤが同9・0%増、伝動ベルトが同30・0%減となり、生産量は5190tで同8・0%減となった。
品種別では、コンベヤ合計の23年は9073tで同5・0%減となった。コンベヤの内需は、自動車産業の増産の影響を受けて主力需要先の鉄鋼メーカーの粗鋼生産量が回復してきたが、前年を上回ることはできなかった。
輸出は円安効果と鉱山需要が好調で前年比で9%増となった。
23年の伝動ベルト合計は1万337tで同9・0%減。内需は8630tで同3・0%減、輸出は1708tで同30・0%減となった。内需は主力需要先である自動車産業は徐々に回復に向かったのに対して、工作機械産業の減産の影響を1年を通じて受けた。輸出は海外経済の低迷を受けて対前年比70%と非常に厳しい結果となった。
伝動ベルトの内訳を見ると、歯付ベルトの内需が同2・0%減、輸出が同20・0%減、合計で同9・0%減。V・ファンベルトは内需が同2・0%減、輸出が同36・0%減、合計で同7・0%減。その他ベルトは内需が同16・0%減、輸出が同32・0%減、合計は同22・0%減となった。
23年の樹脂ベルトの生産量が100万3422㎡で前年同期比13・0%減、出荷金額は130億263万4000円で同3・0%増となった。生産量は3年ぶりのマイナスとなったが、出荷金額は3年連続のプラスとなった。樹脂ベルトは物流業界と食品業界が大口需要先になるが、コロナが5類に引き下げられ行動制限が緩和されたものの、物流、食品ともに期待したほどの需要が発生しなかった。出荷金額がプラスとなったのは、樹脂ベルト各社が原材料価格の高騰などを理由に価格改定を実施した影響が反映されたものとみられる。
素材別では、PVCが19万6594㎡で同10・0%減、ポリウレタンが71万9828㎡で同14・0%減、その他が8万7000㎡で同14・0%減となっている。
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2024年02月06日