三菱ケミカルグループは2月6日、オンラインで決算発表会を開き、ジョンマーク・ギルソンCEOと中平優子CFOが出席し、24年3月期第3四半期決算の説明を行った。売上収益は3兆2451億4000万円で前年同期比4・7%減、コア営業利益は1838億7800万円で同3・4%増、営業利益は2125億円で同337・0%増、四半期利益は1038億6400万円で同509・6%増となった。
なお、第3四半期においてクオリカプス社の全株式をロケット社に譲渡したことに伴う非経常利益の計上などで四半期利益は前年同期比で大幅な増益となった。
セグメント別に見ると、スペシャリティマテリアルズの売上収益は8734億円で同6・4%減、コア営業利益は173億円で同68・7%減となった。内訳はポリマーズ&コンパウンズの売上収益は2404億円で同5・6%減、コア営業利益は163億円で同25・2%減、フィルムズ&モールディングマテリアルズの売上収益は3635億円で同8・1%減、コア営業損失は28億円(前年同期は222億円の利益)、アドバンストソリューションズの売上収益は2695億円で同4・6%減、コア営業利益は38億円で同66・1%減となった。
このうち、ポリマーズ&コンパウンズは、自動車向け中心にバイオポリカーボネート(PC)新規採用拡大や増販があった。一方、グローバルでのバリア包材や塗料、インキ、接着剤用途などは需要減退などにより販売が減少した。フィルムズ&モールディングマテリアルズでは、半導体向けで高機能エンジニアプラスチックが減販となったほか、一般用ポリエステルフィルムが減販となるなどグローバルでの需要減退の影響を受けた。アドバンストソリューションズでは半導体市場の停滞が継続するも、一部製品では底打ちの兆しもみられる。
需要分野別では、自動車向けは全般的に戻っており、「ポリマーズ&コンパウンズの自動車向けは期初の予想以上に推移し、24年度も自動車は好調が続く。半導体関連は高機能エンプラが落ち込むも、純水や超純水は前年を大きく上回る」(中平CFO)と話した。
なお、3月に退任するギルソンCEOは「コア営業利益は累計で1830億円、EBITDAも12%近い数字を達成できた。グローバルで化学業界が厳しいときにこの数値を出せたことはこの3年間、構造改革を行った成果だ」と述べ、別れのメッセージとした。
2024年02月07日