クロロプレンゴムは減収 デンカの4~12月期

2024年02月08日

ゴムタイムス社

 デンカの24年3月期第3四半期連結決算は、売上高が2928億4300万円と前年同期比5・1%減、営業利益は125億5300万円で同51・8%減、経常利益は84億6300万円で同64・3%減、四半期純利益は35億8200万円で同59・5%減となった。
 セグメント別では、エラストマー・インフラソリューション部門の売上高は858億円で同9・2%減、営業損失は55億5000万円(前年同期は営業損失2100万円)となった。
 このうち、クロロプレンゴムについては、価格面では昨年度に実施した段階的な価格改定が寄与したほか、円安による手取り増があった。ただ、販売数量は全般的な需要の減少があり減収となった。このほか、特殊混和材などの販売は概ね前年並みとなった。
 電子・先端プロダクツ製品は633億2700万円で同9・3%減、営業利益は66億6600万円で同51・5%減となった。高純度導電性カーボンブラックは、xEV向けは底堅く推移したが、高圧ケーブル向けは工事の遅れによる一時的な減少があり減収となった。球状アルミナは、xEV向けは需要が回復傾向にあるものの、民生向けの需要は低調が続き減収となった。
 このほか、電子部品・半導体関連分野向け高機能フィルムや球状溶融シリカフィラーは、パ ソコン、スマートフォンなど民生向けの需要減により減収となり、自動車産業用向けの金属アルミ基板「ヒットプレートの販売も前年を下回った。
 ライフイノベーション部門の売上高は380億3200万円で同1・9%減、営業利益は97億12
00万円で同15・8%減となった。POCT検査試薬は、新型コロナウイルス抗原迅速診断キットは前年を下回りましたが、インフルエンザの流行に
より新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時診断キットが増加し増収となった。
 24年3月期通期業績予想は前回発表を修正した。売上高は3800億円(前回発表4000億円、増減率5・0%減)、営業利益は110億円(同190億円、同42・1%減)、経常利益は30億円(同120億円、同75・0%減)、当期純利益は110億円(前回発表から据え置き)見込んでいる。主な修正理由としては、電子・先端製品等の主力製品の需要が想定を下回っているほか、クロロプレンゴムが能登半島地震により1月末まで操業が停止となった影響などにより、売上高、営業利益、経常利益は前回公表した予想値を大きく下回る見通しとなっている。

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