三菱ケミカルグループは2月7日、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)NOVADURANTM(ノバデュランTM)について、超低比重化が実現可能な発泡性グレード「ZRシリーズ」を開発し、2024年1月よりサンプルワークを開始したと発表した。
ZRシリーズは、同社グループの処方技術と独自製造技術を組み合わせることにより開発した新規グレードで、高い剛性を有する繊維強化系エンジニアリングプラスチックでありながら、それ自体が発泡性を持つことが特長となる。
部材軽量化を可能とする技術として射出発泡成形は広く認知されているが、化学発泡剤による発泡は分解残渣の影響や作業性に問題があり、また超臨界流体を用いた物理発泡についても、特殊な成形機が必要となるなどの制約があった。ZRシリーズはこれらの課題を解消し、煩雑な作業や特殊な成形機を用いることなく、比重 1・0を下回る超低比重の成形品を得られる革新的なグレードとなる。
ZRシリーズは、PBT樹脂が持つ高い耐薬品性や耐熱性などは維持しており、軽量化による燃費向上やCO2排出量の削減、運動性能の向上といったニーズの高い自動車分野のほか、産業資材・電気電子関連分野など多岐にわたる展開が可能となる。
同社グループは、今後もNOVADURANのさらなる高機能化やコンパウンド品の技術開発を進め、高付加価値な機能商品を供給するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献していく。
2024年02月08日