ミシュランらが仏で開設 バイオブタジエン試作設備

2024年02月09日

ゴムタイムス社

 ミシュランは2月7日、同社、IFP Energies nouvellesおよびアクセンスが、ボルドー近郊のバッサンスにある同社工場で、フランス初のバイオマス(植物)由来のブタジエンを生産する工業規模の試作設備を開設したと発表した。
 この設備は石油由来のブタジエンに代わる材料として、バイオ由来のエタノールからブタジエンを製造することを目指し、ADEME(フランス環境エネルギー管理庁)の支援を受け、3つのパートナーが参加するバイオバタフライ・プロジェクトの枠組みの中で建設した。
 バイオバタフライ・プロジェクトは、 バイオベースの合成エラストマー産業を創出する上で、重要な一歩を踏み出すことになる。
 ブタジエンは、C4ジオレフィンであり、多くのポリマーの製造において重要な中間体となる。ブタジエンの 40%はタイヤ市場向けのエラストマー生産に使用し、残りの 60%は主にワニス、樹脂、ABS樹脂、自動車用ナイロン、織物、建築資材の製造に使用している。こうした広範な用途は、バイオ由来のブタジエンに新たな市場を提供する。
 2023年7月に開始した工業規模の試作設備では、バイオ由来ブタジエンの製造工程における各段階を検証する必要があった。こうしたプロセスを経て、技術的および経済的な実現性が証明され、年間の生産能力が20tから30tに向上し、迅速な発展が可能になる。この試作段階は、新しいプロセスをグローバルに商業化するための道筋を提供し、化石資源に依存しない革新的な合成ゴムの製造を可能にし、新しいバイオ由来のブタジエン市場をさらなる発展へと導く。アクセンスによるこの技術の商業化は、再生可能なブタジエンを大量に確保するための重要なステップとなる。
 同社はパートナーと連携して新しいエコシステムを構築し、バリューチェーンに関わる様々なプレーヤーとのシナジーを発展させ、再生可能なブタジエンの製造を進めている。将来的にこれらのエコシステムは持続可能でバイオ由来の製品への需要の高まりに対応するため、世界中に工場を建設予定となる。
 現在までに、バイオバタフライ・プロジェクトは総額8000万ユーロ以上の投資を表しており、そのうちADEME主導の「未来への投資プログラム」による支援は1470万ユーロになる。
 また同プロジェクトは、ヌーヴェル=アキテーヌ地域とボルドー都市コミュニティからも支援を受けている。なお、バッサンスにある同社の工場では、これまでに20名分の新規雇用が創出されている。

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