クラレの23年12月期連結決算は、売上高が7809億3800万円で前期比3・2%増、営業利益は754億7500万円で同13・4%減、経常利益は690億2500万円で同17・9%減、当期純利益は424億4600万円で同21・8%減となった。
セグメントのうち、イソプレンの売上高は656億8300万円で同0・1%増、営業損失は108億7100万円(前年同期は営業利益42億7000万円)となった。製品別では、イソプレンケミカル、エラストマーは需要低迷に加え、競争激化の影響を受けた。耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は、自動車用途は回復基調にあるものの、電気・電子用途はデバイスの需要回復が遅れた。
ビニルアセテートの売上高は4067億7100万円で同5・6%増、営業利益は863億4400万円で同11・3%増となった。製品別にみると、ポバール樹脂は高付加価値品へのシフトを進めた。一方で、欧米を中心に需要が減退し、販売数量は減少した。光学用ポバールフィルムは、液晶パネルの在庫調整が一巡し、段階的に出荷が回復した。高機能中間膜は、PVBフィルムの建築用途で欧州を中心に需要減退が見られたものの、自動車用途は堅調に推移した。水溶性ポバールフィルムは、引き続きインフレによる買い控えなどの影響を受けたものの、年後半には回復の兆しが見られた。EVOH樹脂「エバール」は、自動車用途は堅調に推移したものの、食品包装用途は年後半に一時的な需要の落ち込みがあり、販売数量が減少した。
24年12月期の連結業績見通しは、売上高は8300億円で前期比6・3%増、営業利益は830億円で同10・0%増、経常利益は770億円で同11・6%増、当期純利益は470億円で同10・7%増を見込んでいる。
2024年02月13日