藤倉コンポジットの24年3月期第3四半期連結決算は、売上高が293億3800万円で前年同期比6・6%減、営業利益は32億1100万円で同13・5%減、経常利益は33億8100万円で同22・7%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は29億3800万円で同9・0%減となった。
セグメントのうち、産業用資材の売上高は166億6300万円で同4・5%減、営業利益は2億1500万円で同223・6%増。工業用品部門は自動車関連部品の受注回復の兆しが見えるものの、国内住宅設備関連の流通在庫過多の解消に至っておらず減収となった。ただ、中国、米国における受注の回復と価格転嫁、固定費削減が進んだことにより増益となった。制御機器部門は半導体市場において海外向け製品の新規受注があったものの、液晶市場の大幅な落ち込みがあり低調に推移した。医療市場はコロナ禍で増産した医療機器の流通在庫過多の影響を受け、減収減益となった。
引布加工品の売上高が38億3700万円で同7・2%増、営業利益は9800万円で同1・2%増となった。引布部門は、一般ゴム引布の建材用製品や電気・電子分野向けの部材などが好調に推移し、また原材料費やエネルギー費などの価格転嫁の効果もあり、増収増益となった。印刷材料部門は、事業撤退発表後に国内、海外向け共に受注増加となり、また円安の影響により増収増益となった。加工品部門は、海外向け舶用品や防衛関連製品が堅調に推移したが、販売費の増加により増収減益となった。
スポーツ用品の売上高が85億7400万円で同15・1%減、営業利益は33億2700万円で同15・3%減となった。ゴルフ用カーボンシャフト部門は、ゴルフクラブ市場における世界的な流通在庫過多の影響によりクラブメーカー向けの販売が減少し減収減益となったが、世界のツアープロに愛用されている「VENTUS」「SPEEDER NX」の 主力モデルに加え、米国では3月発売の「AXIOM Iron」、日本では7月発売の「TRAVIL Iron」がアフターマーケット市場で好調な販売を継続しており、依然高い利益率を維持している。アウトドア用品部門は、記録的な暖冬の影響によりバックカントリースキーなど冬物商品の動き出しが遅れたが、ハイキング・トレッキング市場で登山靴の主力モデル「C1_02S」の販売が好調に推移し、減収増益となった。
24年3月期通期連結業績予想は前回発表時の予想値から変更はなく、売上高は399億円で前期比1・9%減、営業利益は41億円で同7・5%減、経常利益は42億円で同18・4%減、当期純利益は34億円で同13・9%減を見込んでいる。