出光興産は2月14日、バイオマスナフサを原料としたバイオマスSPS(シンジオタクチックポリスチレン)樹脂の供給に向けた検討を開始したと発表した。
バイオマスSPS樹脂の製造・販売にあたり、同社は「ISCC PLUS認証」を取得しており、委託加工先や物流事業者の協力を得てサプライチェーンを構築するとともに、同認証に基づいたマスバランス方式を採用した製品を供給する。
近年、CO2排出量の増加に伴う気候変動は世界的な課題として大きく取り上げられており、資源循環やカーボンニュートラル実現に向けた取り組みが求められている。SPS樹脂の原料にバイオマスナフサを使用することで、石油由来のナフサを使用した場合と比べてCO2排出量を抑制することが可能となる。
バイオマスSPS樹脂の普及に向け、同社はマインと協働し、バイオマスSPS樹脂を用いた食器・箸類の製造・販売に関する検討を進める。マイン社は、バイオマスSPS樹脂を用いた食器・箸類の販売を2025年上旬に開始予定となる。
SPS樹脂は、同社が製造したベースとなる樹脂(ニート樹脂)に、委託加工先においてさまざまな副資材を混ぜ合わせて製造している。バイオマス製品の製造にあたってはトレーサビリティが重要視されることから、委託加工先や物流事業者の協力を得て、バイオマス SPS樹脂のサプライチェーンを構築する。
同社は、今後もパートナー企業との連携を強化し、サプライチェーン全体でカーボンニュートラルと循環型社会の実現を目指す。
同社は2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年ビジョン「責任ある変革者」、2050年ビジョン「変革をカタチに」を掲げている。中期経営計画(対象年度2023~2025年度) では、「一歩先のエネルギー」「多様な省資源・資源循環ソリューション」「スマートよろずや」の「3つの事業領域」の社会実装を通して「人々の暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たしていくことを表明した。
同取り組みは、「多様な省資源・資源循環ソリューション」の社会実装に向けた重要な取り組みと位置付けている。
2024年02月15日