共同検討実施に関する覚書締結 積水化学がスロバキア共和国と

2024年02月15日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は2月13日、スロバキア共和国におけるカーボンニュートラル推進に対し、同社のフィルム型ペロブスカイト太陽電池がどのように貢献できるか、また太陽電池に関する法規制の状況を含む社会実装への課題検討を、スロバキア共和国内の大学や研究機関と2024年~2026年に実施する旨の覚書を、スロバキア共和国経済省と締結したことを発表した。
 同社では、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」を活かし、業界に先駆けて屋外耐久性10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを確立している。さらに、同製造プロセスによる発電効率15・0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功している。
 現在、各種用途への設置を通して技術実証と設置・施工方法の確立を進めており、2025年の事業化を目指している。
 並行して、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金を活用し、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上に向けた開発を進めている。
 スロバキア共和国政府は、カーボンニュートラルを推進するにあたり、さまざまな検討や取り組みを行っており、その取り組みの一つとしてペロブスカイト太陽電池の適用が検討されている。これまで、同社ペロブスカイト太陽電池の開発状況確認のため、2023年4月に視察団を同社の開発拠点へ派遣している。
 共同検討の覚書(MOU)の締結の目的として、スロバキア共和国は、ペロブスカイト太陽電池に関する社会実装の課題を、同国内の大学や政府機関の支援を受けつつ共同で取りまとめ、カーボンニュートラルに対する貢献度の検討などを行う。同社は、スロバキア共和国から提供された情報を基に、日本国外、特に欧州市場へのペロブスカイト太陽電池の展開を想定した場合の、事業確立に必要な戦略検討を行う。
 同社東京本社にて2月9日(金)に調印式が執り行われ、スロバキア共和国からはデニサ・サコヴァー副首相兼経済大臣を含む2名の閣僚が出席し、同社からは加藤社長をはじめ、開発分野の幹部が出席した。

調印式の様子

調印式の様子

記念撮影の様子

記念撮影の様子

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