朝日ラバーは伸縮配線、ナノシート電極、筋電計をセットにした「筋電測定スターターキット」を2月より発売開始した。同社は2019年に切り紙構造とゴムを複合させた伸び縮みする配線「伸縮配線」を開発。この伸縮配線と新たに開発した極薄電極であるナノシート電極を筋肉の動きを測る筋電計と組み合わせて「筋電計測スターターキット」として準備した。
ナノシート電極は、生体適合性を持つシリコーンゴムと導電性高分子で構成されており、シートの厚みを1000nm以下まで薄くした電極。極薄に成形することで、接着剤を使用せず水のみでタトゥーシールのように肌へ貼り付けることができる。皮膚への刺激を確認する24 時間閉塞パッチテストにも適合しており、極薄の電極であるため肌へ貼り付けた際の違和感が少なく、一般的な電極と同様に電気信号を読み取ることができる。
筋肉の動きは、筋電計を用いて筋肉を動かした際に発生する電気信号を読み取って測定する。身体に取り付ける電極は通常粘着性あるゲル状の電極を用い、電極と筋電計を配線で繋いで測定を行う。しかし、繋がれた配線には伸縮性がないため関節を動かす動作などが制限される、厚みのあるゲル電極は貼り付けできる箇所に制限があるといった課題を抱えていた。
同社の筋電測定スターターキットは、電極と筋電計を伸縮時に応力が小さい当社の伸縮配線で接続することで、課題であった動きの範囲に関係なく測定することができる。加えて極薄のナノシート電極を用いることにより、今まで測定が難しかった表面の凹凸が複雑な手のひらや足の裏にも電極を貼り付けて測定することが可能になった。
今後の展開はスポーツウェルネス、ヘルスケアといった分野を目指す市場として捉えつつ、それ以外の様々な市場へのマーケティング活動を継続しニーズを取り込み、伸縮配線やナノシート電極の新たな製品展開を企画するとともに、センシング分野でのさらなる発展を目指す。なお、同製品は24 年2月20日~22 日に東京ビッグサイトで開催される「第9回ヘルスケアIT2024」に展示する。また、3月中旬よりECサイトを通じた販売も開始する予定。
2024年02月15日