帝人らが連携協定締結 燃料電池発電機の研究開発

2024年02月16日

ゴムタイムス社

 帝人は2月15日、日本赤十字看護大学と共同で災害時の非常用電源として燃料電池発電機を活用する実証実験に向けた連携協定を締結したと発表した。
 豪雨や地震といった自然災害時では、長時間の停電に備えて非常用電源の確保が重要となる。現在、非常用電源としてさまざまな発電機を利用しているが、ガソリン発電機やディーゼル発電機は、使用時の騒音や臭いの問題、稼働中に排出するガスによる一酸化炭素中毒のリスクが課題となっている。
 こうした中、災害救護に関する新たな知見や技術の積極的な活用を探索する日赤看護大は、有毒ガスや臭いが発生せず低騒音で稼働する燃料電池発電機に着目し、災害時の非常用電源としての活用を検討していた。一方、同社は水素エネルギーの普及に向けて、可搬型の燃料電池発電機の「燃料電池ユニット」と同ユニットに水素を供給する「圧力容器ユニット」を開発しており、様々な現場での活用に向けて実証実験を行うパートナーを探していた。
 こうした両者の考えが一致し、このたび、災害発生時の非常用電源として燃料電池発電機を活用することを想定した実証実験を2024年度中に実施する連携協定を締結した。
 実証実験は、日赤看護大の付属で、災害救護活動の研究に特化した機関である災害救護研究所と共同で実施する。災害発生時を想定し、ガソリンやディーゼル発電機の運用が困難な閉鎖空間における燃料電池発電機の非常用電源としての有効性の確認や、限られたスペースにおける設置場所および換気方法の確認、また、医療機器向けに使用する医療用のバックアップ電源への給電装置としての有効性の検証や課題の抽出などを実施する予定となる。
 同社は日赤看護大と実施する実証実験を通じて、燃料電池発電機に関する研究開発を進め、災害時に電力を必要とする被災者の方々のQOL向上を目指す。

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