日本電信電話(NTT)とブリヂストンは2月29日、両社のビジョン実現に向け新たな社会価値、顧客価値の創造を目指し2022年より協業を開始しており、この度両社の技術の強みを活かした共創テーマとして、「デジタルツイン」「サステナビリティ」「タイヤを介した環境及び人にやさしい街づくり」の3つをテーマ選定し、同日より取り組みを開始したと発表した。
NTTの革新的なコミュニケーションサービスを実現するコンピューティング・ネットワーク基盤技術やデジタルツインコンピューティング等のサイバー関連技術と、ブリヂストンがこれまでのゴム・タイヤ開発で培ってきた「ゴムを極める」「接地を極める」といった膨大な知見・技術の融合を通じ、サステナブルな環境社会の実現と、一人ひとりの可能性を最大限に引き出すことで新たな社会価値・顧客価値の提供を目指す。
NTTグループは、NTTグループ中期経営戦略「New value creation&Sustainability 2027 powered by IOWN」を発表し、「新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ」をはじめとした中期ビジョンを掲げている。
一方、ブリヂストンは、「2050年サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」をビジョンとして掲げ、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」を軸に、社会・パートナー・ユーザーと共に持続可能な社会を支えることにコミットし、ビジョンの実現に向けて変革を加速している。
両社は、各社が掲げるビジョンの親和性が高く協調できる領域が多いことから、その実現に向け共通して解決すべき社会課題を抽出し、新たな社会価値、顧客価値の創出にむけて技術共創を行うことに合意し、2022年7月より検討に着手してきた。この中で技術シナジーが生まれる領域について議論を重ね、2024年2月より「デジタルツイン」「サステナビリティ」「タイヤを介した環境及び人にやさしい街づくり」の3つのテーマを選定し、各テーマにおける共同検討を進めていく
デジタルツインでは、人々が時間や空間にしばられずに高い創造性をもって行動できる社会実現を目標とし、誰もがリアルとサイバーの融合による価値を享受できる環境実現をめざす。この取り組みでは運動を対象とし、フィジカル面での特徴・特性、モノの微細な性質に対する暗黙知や、メンタル面での意識を含めた状態をデジタル化し他者に伝え再現することで、誰もが価値を享受できるデジタルツイン技術を実現する。
サステナビリティでは、人々が生活する地球を大切にする社会実現に向け、限りのある資源を最大限に活用する製品ライフサイクルの実現を目標とし、簡易で信頼性のある方法で製品の材料の識別を行うことで、循環型社会への貢献をめざす。
タイヤを介した環境及び人にやさしい街づくりでは、モビリティ領域での安心・安全・快適な社会実現を目標とし、搭乗者に伝わる振動等の車両に対するセンシングや人に対するセンシングで得たデジタルデータを活用し誰もが車で快適に移動できる環境実現をめざす。
NTTは、世界トップクラスのセンシング、及び分析技術から得られる知見の提供を行い、ブリヂストンは、ゴム・タイヤ開発の知見やモビリティ/タイヤデータの提供、共同開発技術の実証フィールドの提供を行う。
今後は、テーマごとに共同実験を推進し、2024年からは可能な領域から順次社会実装を始め、新たな技術・価値の創出をめざす。
日本電信電話常務執行役員、研究開発マーケティング本部長大西佐知子氏は、「NTTは、2023年に新中期経営戦略を掲げ、新たな価値創造と地球のサステナビリティのために挑戦を続けている。この挑戦は、ブリヂストンの企業コミットメントによる取り組みに共感するものであり両社にて人と社会と地球のサスティナビリティのための協業ができることを大変うれしく思っている。ブリヂストンのタイヤを始めとした革新的な技術力をベースにしたリアルへの強みと、NTTが持つデジタルツインを始めとしたサイバーへの強みをかけ合わせることで社会課題解決に繋がる大きな技術を創出できると考えている。今後は協業をますます加速し、社会、顧客への価値創造にむけた社会実装に取り組んでいく。」とコメントしている。
ブリヂストン執行役専務Global CTO・モノづくり分掌、坂野真人氏は、「ブリヂストンは、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」を掲げ、社会価値・顧客価値を創出し続けるサステナブルなソリューションカンパニーへと進化していくため、当社の新たなコアコンピタンスの一つである技術・イノベーションの創出を「リアル」と「デジタル」の融合により加速している。今回、通信事業のリーディングカンパニーであるNTTと両社のビジョンについて共感し、その実現に向けて研究開発における連携を深め、技術共創に挑戦できることを大変嬉しく思う。今後もイノベーション拠点「Bridgestone Innovation Park」を最大限活用し、様々なパートナーとの共議・共研を通じた新たな社会価値・顧客価値の創造に取り組んでいく。」とコメントしている。
2024年03月01日