日本プラスチック工業連盟 年頭所感 米倉弘昌会長

2012年01月17日

ゴムタイムス社

 本年は震災復興需要が経済成長を押し上げるものと見られ、2012年度のわが国の実質経済成長率は前年度比プラス2%程度にまで回復するとの予測もありますが、今後の先行きは依然として予断を許さない状況にあります。
 こうした中、プラスチック産業界といたしましては、創意工夫とイノベーションをより一層積極的に推し進め、プラスチックの持てる力を最大限に発揮して、広く社会が直面している様々な課題の解決に貢献していくことによって新たな成長を生み出し、この難局を乗り切っていかなければなりません。
 昨年10月の「第37回極東プラスチック業界懇談会」では、極東地域のプラスチック業界を代表するリーダーが一堂に会し、「プラスチック製品の高品質化」をテーマに意見交換を行いましたが、この懇談会では、社会の持続的発展を実現していくためのキー・テクノロジーとしてのプラスチックの役割に高い期待が寄せられました。
 とりわけ、「低炭素社会」の構築を進めていくにあたって、今後、プラスチックは非常に重要な役割を担っていくものと思われます。太陽光発電や風力発電、小水力発電などの再生可能エネルギー技術において、プラスチックはなくてはならない材料となっております。また、プラスチックは代表的な断熱材、軽量化素材として多種多様な分野で使用されており、これまでも省エネルギーならびにCO2排出量の削減に大きく貢献してまいりました。PlasticEuropeによりますと、断熱材や軽量材などの用途でプラスチック製品が使用されることによるCO2削減量とプラスチック製品の生産に起因するCO2排出量を推計・比較したところ、2007年時点で削減量が排出量の5倍から9倍相当となっており、2020年には、この比率が9倍から15倍に達すると見込まれております。
 わが国のプラスチック産業界といたしましても、イノベーションをさらに加速させ、新製品・新用途の開発を進めることで、低炭素社会の実現に向けて引き続き貢献してまいりたいと存じます。同時に、社会のニーズに的確かつスピーディーに応えていくことによって、日本の産業界全体の競争力の強化とわが国経済の復活・再生を強力に後押ししてまいりたいと存じます。
 引き続き皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

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