ランクセスは「アディティン」製品群に自社の持続可能性認証ラベルである「スコープブルー」を付与した淡色硫黄系極圧添加剤を開発した。
淡色硫黄系極圧添加剤はドイツ国内で調達された再生可能原料をもとに製造されている。これらの原料は、EUエコラベルの申請を予定している潤滑剤メーカーにとって最も重要な基準である「潤滑油物質分類リスト(LuSC)」の要件も満たしている。EUエコラベル潤滑剤は従来の潤滑剤よりも環境に優しい代替品であり、幅広い環境基準に配慮することにより生物多様性への影響を低減することを目的としている。
「アディティン」ブランドの硫黄系極圧添加剤は淡色で臭いが少なく、主に金属加工潤滑剤に使用される。金属表面の摩耗を低減し、高圧などの過酷な条件下でも金属表面の凝着を防止する。淡色硫黄系極圧添加剤は生態毒性に関する優位性を有するため、環境残留性および生物蓄積性が高く、欧州化学物質庁(ECHA)において高懸念物質(SVHC)として分類されている塩素化パラフィンの代替として浸透しつつある。
同社は、持続可能な原材料の含有率が50%超、またはカーボンフットプリントが従来の同等品の半分未満である製品に「スコープブルー」ラベルを付与している。これらの製品はマスバランス法を用いて計算され、従来の製品と化学的に同一で、新たな製造プロセスやツール、製品の改良は必要ない。
同社は2023年末に持続可能な淡色硫黄キャリアのための拡張プラントを稼動し、生産能力を数千トン増強した。投資額は数千万ユーロで、計画通り約2年間で、ドイツ・マンハイムの拠点において完成した。追加生産量は、2024年初頭から利用可能となった。
ルブリカントアディティブスビジネスユニット(LAB)は、確かな実績に基づき、潤滑油製品に配合される塩素化パラフィンを、高性能でより環境に優しい硫黄系極圧添加剤への代替を検討する顧客に技術的な専門知識を提供していく。
2024年03月18日