横浜ゴムは2月29日、2024年のモータースポーツ活動計画を発表した。
同社はタイヤ消費財事業において、高付加価値商品の主力であるグローバルフラッグシップタイヤブランド「ADVAN(アドバン)」、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」、「ウィンタータイヤ」の販売構成比率最大化を目指している。その中で、モータースポーツ活動を技術開発および「アドバン」「ジオランダー」ブランド強化の場と位置付け、トップカテゴリーからグラスルーツカテゴリーまでグローバルでのモータースポーツ競技へタイヤを供給する。
「アドバン」では昨年に引き続き、「アドバン」最大化への挑戦「ADVAN CHALLENGE」を掲げ、「SUPER GT」「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」「Pikes Peak International Hill Climb」など強豪ひしめくトップカテゴリーにおいて昨年を上回る勝利を狙う。また、サステナブル原料比率をさらに高めたタイヤ開発とモータースポーツ用タイヤ生産工場での100%再生可能エネルギー電気の使用を継続し、サステナブルなモータースポーツへの挑戦を推進する。
「GEOLANDAR」では「Baja(バハ)1000」、「King of the Hammers」、「The Mint400」、「アジアクロスカントリーラリー(AXCR)」といった北米、アジアのトップオフロードレースに挑戦し勝利することで、強固なグローバル認知度の確立を目指す。
主な活動計画はGT・ツーリングカーレース、ニュルブルクリンク24時間耐久レース/ニュルブルクリンク耐久シリーズ、Porsche Carrera Cup North America、その他のGT・ツーリングカーレース、全日本スーパーフォーミュラ選手権、Pikes Peak International Hill Climb、全日本ラリー選手権、ナイトロクロス、全日本ジムカーナ選手権、全日本ダートトライアル選手権、全日本ダートトライアル選手権、アジアクロスカントリーラリー、北米オフロードレース、FORMULA DRIFT JAPAN(FDJ)となる。
なお、イベントレポートやリザルトは同社のモータースポーツサイトや専用の公式SNSなどで情報を発信していく。
「SUPER GT」はメーカーのワークス勢が主力となるGT500と個性的なチームが競い合うGT300の2つのクラスで争われる。GT500は独自の規則に則った車両が参戦。一方、GT300は自動車メーカーが製造販売する国際規格のFIA―GT3マシンと日本独自のGTA―GT300車両ならびにマザーシャシーが混在し、国内外のバラエティ豊かな車種が競い合う。昨年はGT500の第3戦で優勝し、GT300クラスでは全8戦中4回の優勝を果たした。今年はGT500で2台、GT300で15台へ「アドバン」レーシングタイヤを供給し、更なる勝利を目指す。
「ニュルブルクリンク24時間耐久レース(ADAC RAVENOL 24h Nürburgring)」では、最高峰クラスのSP9クラスに参戦する有力チームに「アドバン」レーシングタイヤを供給し、勝利を目指す。また、ニュルブルクリンク耐久シリーズであるNürburgring Langstrecken Serie(NLS)とNürburgring Endurance Series(NES)では最高峰クラスのSP9クラスに有力チームとともに参戦する。昨年のNLSでは NLS Speed Trophy部門優勝および最高峰クラスのSP9 Proクラスで優勝を果たしている。
Porsche Carrera Cup North Americaは、今年から世界最速のワンメイクレースと称される「Porsche Carrera Cup」シリーズの最上位レース「Porsche Carrera Cup North America」に「ADVAN A005(ドライ用)」および「ADVAN A006(ウェット用)」を供給する。同レースはプロドライバーからアマチュアドライバーまでがポルシェ社の911 Carrera(Type 992)をベースに開発された同スペックの911 GT3 Cup(Type 992)で競い合う。また、「Porsche Carrera Cup」シリーズへのステップアップカテゴリーとしてセミプロドライバー向けに開催される「Porsche Sprint Challenge North America by Yokohama」と「Porsche Sprint Challenge USA West by Yokohama」にもワンメイク供給する。
その他のGT・ツーリングカーレースでは、タイで行われる「Toyota Gazoo Racing Motorsport」「Honda One Make Race」および日本で行われる「インタープロトシリーズ」などに「アドバン」レーシングタイヤを継続供給する。
2016年からワンメイク供給を開始した「全日本スーパーフォーミュラ選手権」では、昨年から原材料の33%にサステナブル素材を使用した「ADVAN A005」ドライ用レーシングタイヤをコントロールタイヤとして供給している。また今シーズンからサステナブル素材を活用し、再生可能原料比率を向上させた「ADVAN A006」ウェット用レーシングタイヤの供給を開始する。同活動はサステナブルなモータースポーツ業界づくりの一環として取り組んでいるもので、同社はサーキュラーエコノミーなタイヤ開発を推進する観点から走行性能を損なわずにサステナブル素材を採用したレーシングタイヤの開発を継続している。
米国の「Pikes Peak International Hill Climb」に今年も参戦する。昨年は「アドバン」レーシングタイヤ装着車が2年連続の総合優勝を含め、5クラスで優勝した。昨年に引き続き「アドバン」レーシングタイヤを供給するほか、その他のクラスでも多くの車両をサポートし3連覇を目指す。また、「Porsche Cayman GT4 Clubsport」により競われる「Porsche Pikes Peak Trophy by Yokohama」へのワンメイク供給を継続する。
全日本ラリー選手権は、昨年はターマック(舗装路)向け「ADVAN A051T」「ADVAN A08B」および「ADVAN A052」、グラベル(未舗装路)向け「ADVAN A053」の高性能を武器に、6クラス中3クラスでシリーズチャンピオンを獲得した。今年も最高峰クラス「JN1」を含め、多くのクラスでチャンピオンを目指す。
ナイトロクロスとして、2021年から北米で開催されており高い人気を誇る「Nitrocross」では、内燃機関車両に加えEVカテゴリー車両向けに専用開発した「ADVAN A054」ラリークロスタイヤをワンメイク供給する。
全日本ジムカーナ選手権では、昨年は「ADVAN NEOVA AD09」「ADVAN A050」の高性能を武器に2クラスでシリーズチャンピオンを獲得。今年もドライバーの熱い走りを支え、多くのクラスでチャンピオン獲得を目指す。
全日本ダートトライアル選手権は、昨年は「ADVAN A053」をはじめ、軟質路面用「ADVAN A031」や超硬質路面用「ADVAN A036」など幅広い路面に対応したタイヤラインアップを武器に、6クラスでシリーズチャンピオンを獲得。今年もドライバーの熱い走りを支え、多くのクラスでチャンピオンの獲得を目指す。
同社はモータースポーツ振興促進活動の一環として国内のラリー、ジムカーナ、ダートトライアル競技参加者を支援する「ヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップ2024」を実施している。受付期間は2024年4月30日まで。同制度は登録したヨコハマタイヤユーザーを支援する制度となる。対象競技などスカラシップの詳しい内容は専用サイトに掲載している。
アジアクロスカントリーラリーでは、アジア最大のクロスカントリーラリー「AXCR 2024」に参戦するチームに「GEOLANDAR M/T G003」を供給する。昨年は同タイヤ装着車が2年連続で総合優勝を果たしたほか、トップ3を独占した。今年は3連覇を目指す。
北米オフロードレースでは、SUV・ピックアップトラック向けタイヤブランド「ジオランダー」を擁し、「Baja1000」、「King of the Hammers」、「The Mint400」など北米の主要オフロードレースに参戦し総合優勝を目指す。すでに今年2月に開催された「King of the Hammers」では、「ジオランダー」装着車が「4900 Can―Am Sportsman Stock UTV」、「4600 Currie Enterprises Stock」、「4500 Yukon Gear and Axle Modified」の3クラスで優勝を果たした。
FORMULA DRIFT JAPAN(FDJ)では、昨年に引き続き、同レースに参戦するチームにストリートスポーツタイヤ「ADVAN NEOVA AD09」を供給し勝利を狙う。また、FDJ2に「ADVAN NEOVA AD09」を、FDJ3に「ADVAN APEX V601 」をワンメイク供給する。
2024年03月01日