日本ゼオンは3月5日、高岡工場(富山県高岡市)においてシクロオレフィンポリマー(COP)のリサイクルプラントが竣工したことを発表した。同社が自社製品のリサイクルに取り組むのは初めてであり、同プラントの竣工はCOPのさらなる差別化とともに、CO2排出削減を通じた持続可能な社会の実現に寄与する。
3月5日に現地で行われた竣工式には富山県および高岡市ならびに周辺自治会から来賓を招いたほか、施工関係者、また田中公章代表取締役会長、小瀬智之執行役員高岡工場長ほか同社関係者を合わせ、44名が参加した。
今回新たに竣工したリサイクルプラントは、2022年夏より工事を進めていたものであり、COPをフィルムに加工する際に発生する廃棄樹脂を再生する。COPフィルム(製品名:ZeonorFilm)は、COPが持つ光学特性や低吸水性といった他にない優れた特長を活かして、ディスプレイ用位相差フィルムとして幅広く使用されており、リサイクル樹脂においても未使用樹脂と同様に高い品質が要求される。これまでの一般的なリサイクル技術では、透明性や純度に課題があったが、今回、同社が手掛ける画期的なリサイクル技術により、未使用樹脂と同等の品質レベルまで再生可能となった。リサイクルした樹脂は、フィルム製造に再利用される計画であり、今後も拡大が見込まれる市場ニーズに応えていく。
2024年03月06日