東レは3月21日、衣料用・産業用の各分野へ販売するナイロン6糸(長繊維)・綿(短繊維)、ナイロン66糸(長繊維)・綿(短繊維)、ナイロンBCF糸(長繊維)、ポリエステル糸(長繊維)・綿(短繊維)およびアクリル綿(短繊維)について、2024年4月出荷分から価格改定を実施することを発表した。
対象素材はナイロン6長繊維(衣料用・産業用)、ナイロン66長繊維(衣料用・産業用)、ナイロン6、ナイロン66短繊維、ナイロンBCF糸、ポリエステル長繊維(衣料用・産業用)、ポリエステル短繊維、アクリル短繊維で、価格改定幅は+5~10円/kg。
国内物流費は、2024年4月からトラックドライバーの労働時間規制が強化される、いわゆる「物流・運送業界の2024年問題」に伴い、人手不足による人件費の慢性的な増加が見込まれている。加えて、昨今より続く燃料価格高騰の影響もあり、国内物流コストは更に大幅上昇する見通しとなっている。
このような環境下、同社は固定費および比例費のあらゆる項目について、徹底的な削減と効率化による自助努力を続けてきた。2023年度から始まった新たな中期経営課題「プロジェクトAP―G2025」においても、組織の総合力を活かした組織横断的コストダウン活動「トータルコストダウンプロジェクト」を推進し、徹底したコスト削減の取り組みを強化している。
国内物流費に関してもコスト削減に向け、鉄道・船舶輸送への転換や他社との運送会社統一による共同輸送、DXによる可視化などを検討しているが、前述の国内物流コスト上昇は、これらの努力で吸収できる範囲を超えており、運送トラック確保や安定した製品供給のため、価格改定(値上げ)を決定した。
2024年03月22日