ニッタ(大阪市浪速区、石切山靖順社長)で一般産業事業やオート事業のホース・チューブ製品を手掛けているニッタ・ムアー事業部の23年度第3四半期(4~12月)は、一般産業事業が減収となったのに対し、オート事業は増収となった。
「需要先別にみると、一般産業事業では、半導体製造装置向けのクリーンチューブは低調だったが、半導体製造装置メーカーからの受注は戻りつつあり、今後、緩やかに回復すると予測している。また受注回復期に備えて供給対応できる体制を整えている」(同社)と話す。一方、建設機械向けのホース製品は堅調だ。ショベルやクレーンなども順調な動きを見せている。
オート事業では、自動車メーカーの半導体部品調達が改善され、乗用車と商用車ともに堅調に推移した。ただ、第4四半期は顧客の生産減少の影響を強く受けており、「動向を注視しながら活動を行っていく」(同社)としている。
今後の方針として、成長が見込まれる半導体製造装置分野へ注力する姿勢に変化はない。国内では熊本や北海道で半導体工場の建設が相次いでいるが、「これら工場に納入される半導体製造装置が増えれば、当社の部品の受注も増えるだろう」(同社)と期待する。半導体製造装置分野ではクリーンチューブの拡販と並行し、クリーンチューブ継手「ケミフィット」の品ぞろえ拡充も進める。同シリーズはクリーンエア、純水、薬液配管用継手としてこれまで国内外で数多くの実績を積み上げてきた。昨年11月には、米国ネジ規格に対応した「ケミフィットC1シリーズNPTねじ仕様」の販売をスタートし、「北米地域にも拡販を進める」(同社)と話す。
また、カーボンニュートラルへの対応では、今年3月1日より植物由来(ひまし油)を原料にした「バイオマスナイロンチューブ」の販売を開始した。植物由来割合は84%(ASTM D6866に基づく計算値)、74%(一般社団法人日本有機資源協会に基づく計算値)で、一般社団法人日本有機資源協会のバイオマスマーク認定審査に合格している。使用流体は空気、水、一般作動油。サイズは6種類で、色は黒、乳白、黄、青、緑、赤の6色だ。
「当社のナイロンチューブは自動車の燃料配管で採用されてきた実績があり、この実績を他の分野にも応用していく」(同社)考え。今後環境配慮型製品を増やし、社会課題の解決に貢献していく。
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