日油と産総研グループは3月27日、2024年4月1日に、産総研に「日油―産総研スマート・グリーン・ケミカルズ連携研究ラボ」を設立すると発表した。
この連携研究ラボでは、両社の保有する基盤技術やノウハウを融合することで、環境調和型の化学品製造プロセスの開発を進め、脱炭素と生活の豊かさに資する機能性化学品(スマート・グリーン・ケミカルズ)の創出を目指す。これにより、化学の力で新しい価値を継続的に社会へ提供するとともに、サステナブルな化学産業の実現とその発展に貢献する。
化学産業は日本の経済をけん引する産業の一つであり、これまで多くの付加価値製品を生み出してきた。一方で、鉄鋼業の次に二酸化炭素排出量が多く、脱炭素に向けた一層の取り組みが世界的に求められている。日油は、「ライフ・ヘルスケア」、「環境・エネルギー」、「電子・情報」などに関わる化学品製造・販売を主力事業とし、環境に配慮した原料やプロセスへの転換を通してサステナビリティへの取り組みを進めてきた。
同連携研究ラボでは、これらのサステナビリティへの取り組みをさらに拡充するために、産総研グループの総合力を投入して両者の強みを融合することで、これまでにない省資源・省エネルギー型の化学品製造プロセスの開発を進め、脱炭素と生活の豊かさに資する機能性化学品(スマート・グリーン・ケミカルズ)の創出を目指す。
今回設立する連携研究ラボは、さまざまな専門分野の研究者が集まり、新しいプロセスや製品に関わる研究開発を多面的に進める。産総研は、触媒創生技術やDXによる材料開発の高いポテンシャルを持ち、環境調和型の新しい化学品製造法に資する最先端の触媒設計・開発技術や、各種材料の製造プロセスから特性評価までをカバーする国内最大級の材料開発拠点(マテリアル・プロセスイノベーションプラットフォーム)を有している。これらの技術と、日油が有する「バイオから宇宙まで」に関わる独自の化学品製造技術を融合することで、オープンイノベーションを推進する。
また、両者の人材や技術の有機的な交流を図り、次世代の化学産業を担う高度な技術人材の育成に取り組む。
これらの取り組みを通じて、脱炭素や生活の豊かさに資するスマート・グリーン・ケミカルズの創出を推進し、持続可能な社会や今後のあるべき化学産業の実現に向けて貢献する。
2024年03月28日