積水化学工業は3月27日、センコーグループホールディングス、センコーと、太陽光発電ポテンシャルが大きい倉庫、工場の壁をターゲットとした設置方法を確立するための共同実証実験を、センコー茨城支店茨城PDセンターにて2024年3月22日から開始したと発表した。
2050年の脱炭素社会実現に向けてエネルギーの脱炭素化が求められるなか、フィルム型ペロブスカイト太陽電池は軽量で柔軟という特長により、従来のシリコン系太陽電池では設置が難しかった場所(ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは曲面)への設置が可能となり、再生可能エネルギー(再エネ)の導入量を拡大できる有力な選択肢として期待されている。
同社は、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」により、業界に先駆けて屋外耐久性10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築した。さらに、同製造プロセスによる発電効率 15・0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功している。
現在は、実用化に向けて、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上を目指し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金も活用して開発を加速させている。
センコーグループは、社会とともに持続的に発展し成長しつづけることができるようサステナブル経営に取り組んでいる。物流企業を中心にさまざまな提案を行うなど、ユーザーと一体となって脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めるなど、事業活動を通じて様々な課題の解決につながる価値を提供している。
センコーは、持続可能な社会のために、物流会社が取るべき経営モデルを目指し、効率的な輸送方法の提案や、温室効果ガスを発生させない太陽光発電の導入など、積極的な取り組みを推進している。
今般の取り組みがさらに脱炭素化の課題解決につながると考え、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の倉庫壁面への設置確立に向けた、共同実証実験に取り組むことになった。
今回の実証実験では、新しい簡易設置法により、16枚(16㎡)のペロブスカイト太陽電池設置を、施工準備から配線収納まで6時間で完了することができた。今後、発電能力の検証に加え、耐候性、特に耐風性について、3社共同で1年かけて検証する。
3社は、同実証により倉庫、工場の壁面における再エネ導入手法を確立し、脱炭素化社会への貢献を目指す。
2024年03月28日