健康経営の取り組み定着 ゴム企業、健康経営優良法人取得

2024年03月28日

ゴムタイムス社

 従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、従業員の健康増進に向けた様々な取り組みを進める動きがゴム関連企業で広がりをみせている。これら健康管理を実践する証として、経済産業省の「健康経営優良法人制度」の認定を取得する企業は多いが、ゴム関連企業でも認定取得が定着している。
 同制度は、経済産業省が優良な健康経営を実践している大企業や中小企業などの法人を「見える化」し、社会的に評価できる環境を整備するための顕彰制度。2016年度にスタートした同制度だが、社員の健康増進が労働生産性の向上につながるだけでなく、企業価値の向上にもつながるとして、同制度への注目度は年々高まっている。2024年度で同制度の認定を受けた企業は2988法人(このうち上位法人500法人は「ホワイト500」)、中小規模法人部門で1万6733法人となった。
 なお、2024年度で同制度に認定されたゴム企業(業種分類はゴム製品)をみると、大企業部門では住友ゴム工業とニッタがホワイト500の認定を取得した。また、ホワイト500を除いた大企業部門では、弘進ゴムや住友理工、ニチリン、十川ゴム、TOYO TIRE、倉敷化工、西川ゴム工業が認定を取得、卸ではシバタが認定を取得した。また、化学では日本ゼオンなどが認定を取得している。
 また、中小法人部門でもゴム企業が認定されたとみられる。
 住友ゴム工業は健康経営優良法人(大規模法人部門)ホワイト500に8年連続で認定された。同社は生活習慣病などの高リスク者に対する重症化予防や受動喫煙防止・禁煙推進対策への取り組みが評価された結果としている。
 ニッタは、健康経営優良法人(大規模法人部門)ホワイト500に6年連続で認定、経済産業省と東京証券取引所が共同で実施する「健康経営銘柄」に2年連続で選ばれた。同社は「NITTA健康経営宣言」を掲げ、健康なからだ、健康なこころ、健康な職場の3つの健康をキーワードに、健康施策、健康管理システム、健康診断の充実、福利厚生の充実、働き方・休み方の選択肢拡充をテーマにした取り組みを推進。こうしたことが評価された。
 6年連続で健康経営優良法人に認定された日本ゼオンは、中期経営計画STAGE30の目標の一つとして「日本ゼオン健康行動指標」を設定。適正体重の維持、運動習慣の形成、非喫煙を推進している。その他、セルフケア・ラインケア、EAP(社外相談窓口)活用による、心の健康支援や各種セミナーや動画視聴サービスの提供を通じて、健康リテラシーの向上を行っている。
 住友理工は8年連続で健康経営優良法人に認定された。同社グループ全ての従業員とその家族が心身ともに健康であることは「会社の健全で持続的な成長を支える経営基盤」であるという考えの下、健康増進活動、メンタルヘルス対策、生活習慣病対策の3点を重点項目として取り組んでいる。また同社は従業員の健康増進のために、スポーツ実施に向けた積極的な取り組みを行っている企業として、スポーツ庁より「スポーツエールカンパニー2024」に初めて認定された。
 西川ゴム工業は3年連続で健康経営優良法人に認定された。同社は「社員とご家族の心身の健康は,企業経営の基盤であり,安全と健康は全ての活動に優先します。」とする「健康推進宣言」のもとで、健康保持増進活動や疾病の重症化予防、食生活改善、禁煙支援、治療と仕事の両立などの支援活動や教育、体制の充実を会社・健康保険組合・労働組合が三位一体で取り組んでいる。
 弘進ゴムは2年連続で健康経営優良法人に認定された。社員の健康増進が労働生産性の向上に寄与するという考えのもと、「今後も点の活動を線の活動へ、さらには面の活動に展開できるよう継続的な取り組みを進めていく」としている。

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