JATMA、CO2削減効果発表 リトレッドタイヤ普及に伴う 

2024年04月02日

ゴムタイムス社

 日本自動車タイヤ協会は4月1日、トラック・バス用タイヤのカテゴリーで日本国内市場におけるリトレッドタイヤ普及に伴う資源使用量の削減効果、及びCO2排出量の削減効果についてのとりまとめを発表した。
 タイヤ業界では、タイヤのライフサイクル全体で省エネ化の推進及びCO2の排出量削減に取り組んでいる。また、同会では、これら活動の効果算定に活用してもらうため、2021年3月に「タイヤのLCCO2算定ガイドラインVer.3・0」を改定発行している。
 同会ではこのガイドラインを用いて、日本国内市場におけるトラック・バス用リトレッドタイヤの普及に伴う資源使用量の削減効果、及びCO2排出量の削減効果を2022年12月に公表している。
 今回、その後の推移を確認するため、2022年と2023年の新品タイヤとリトレッドタイヤの販売実績を調査しその結果に基づく削減効果を取りまとめた。
 前回同様、国内市場における各年度の販売実績データに関しては、更生タイヤ全国協議会より提供いただき、削減効果の算定に使用している。
 リトレッド率は2018年から2022年まで18%前後で推移しているが、2023年は20%に到達した。2023年の新品タイヤ販売が2022年対比で減少する中、リトレッドタイヤの販売本数は増加し、リトレッド率が大きく向上した。
 リトレッドタイヤの生産では、台タイヤ部分を再利用するため、新規投入材料はトレッドゴムのみとなり、新品タイヤの生産に比べ、資源使用量で約69%、CO2排出量で約65%をそれぞれ削減することができる(タイヤのLCCO2算定ガイドライン・代表サイズ275/80R22・5で計算)。
 2020年、2021年は世界的なCOVID―19流行の影響を強く受け低下したが、その後回復し、2023年は流行以前の資源削減量より増加した。2023年の資源削減量は年間約4・9万トンで、これは275/80R22・5サイズの新品タイヤの平均的な重量で置き換えると約88万本に相当する。
 2023年のリトレッドタイヤ本数はCOVID―19流行以前のレベルを上回った結果、CO2削減量も年間約22・1万トンと増加した。これは275/80R22・5サイズの新品タイヤ約121万本を生産する際のCO2排出に相当する量となっている。
 現在の日本国内のリトレッド率は、海外と比べると低い状況であり、リトレッド率が高まることで持続可能な社会の実現に向けてのさらなる貢献が期待される。

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