新年度が始まった4月1日、多くのゴム企業でも24年度入社式が行われた。その中で、ゴム企業トップから新入社員に発せられたのは、産業や環境が大きな変化を迎える時代において「挑戦」や「成長」「誠実」「夢」を心に忘れずに持ちながら、次の時代を担う新入社員の活躍を期待するメッセージが目立った。
ブリヂストンの石橋秀一グローバルCEOは「当社の使命『最高の品質で社会に貢献』は、全ての活動のベースにある。この使命をしっかりと理解し自分ごととしてほしい」と話した上で、「品質へのこだわり、現物現場、お客様の困りごとに寄り添う、挑戦の4つで定義されるブリヂストンDNAと、ブリヂストンの大原則『タイヤは生命を乗せている』も必ず理解し、心に刻んでほしい」と激励した。
住友ゴム工業の山本悟社長は「素直な気持ち、一生懸命に努力する、熱い想いの3つを心に刻んでほしい。皆さんは社会人としては1年生で真っ白な状態だ。自分の気持ち次第、やる気次第で、どんなことでも吸収可能になる。今のフレッシュな気持ちを忘れずに、素直な気持ちと熱い想いをもち、何事にも一生懸命に努力し、一歩一歩着実な成長を期待している」とメッセージを送った。
横浜ゴムの清宮眞二社長は「これから仕事をする上で、本気で取り組めば取り組むほど、大きな失敗や挫折を経験することがあるだろう。思い描いていたとおりに行かず、もどかしい思いをすることもあるだろう。ただ、たくさん考え試行錯誤を重ねて努力した先には成功や達成感が待っている。いま当社で活躍している社員は何事も前向きに捉え挑戦し続ける人達。皆さんが横浜ゴムのマインドを受け継ぎ、次の時代への挑戦者となることを期待している」と語った。
TOYO TIREの清水隆史社長は「皆さんが持っておられる力、新しい挑戦、価値観が、当社の多様性をより豊かにし、また、当社の可能性をより広げてくれるものと固く信じている。仕事や人生においては、必ずしも思い通りにならない場面も多々あるだろう。しかし、あきらめずに挑戦を続け、一つひとつ積み上げていく地道な努力を惜しまないでほしい。当社は愚直な力によって、強くなってきた会社であり、皆さんの力と挑戦が当社の新しい歴史を作っていく。いっしょに新しい未来を描いてほしい」と新入社員に伝えた。
豊田合成の齋藤克巳社長は新入社員に心がけてほしいこととして次の3つを上げた。「一つ目は人として成長を心掛ける(他者への思いやりや相手を尊重する気持ちを大切にする人になってほしい)。2つ目は自身の強みを作る(自身の得意分野や特技を見つけ、それを活かして仕事に取り組むとともに、自己成長のために積極的に学び、自己啓発に努める)、そして3つ目は仲間を作る(成果を分かち合い、互いの成長を喜び合え、共に次へのチャレンジをめざすことができる仲間を作ってほしい)」と話し、新入社員へエールを送った。
住友理工の清水和志社長は新入社員を前に大切にしてほしいこととして次の2点を挙げた。「1つ目は「萬事入精」。これはまず一人の人間として何ごとに対しても誠心誠意を尽くす人になるという意味だ。これから皆さんは、さまざまな職場に配属される。自身の担当業務に対し、誠心誠意対応することを心がけてほしい。2つ目は「コミュニケーション」。不安なこと、相談したいこと、確認したいことがあれば、一人で抱え込まず、どんなことでもすぐに上司や同僚に相談する。新たな進化に向けて新しい風、すなわち皆さんの力が必要。当社グループの一員として今後大きな力となることを期待している」。
バンドー化学の植野富夫社長は心掛けてほしいこととして次の3つを話した「一つ目は『夢を持ち続ける』ということ。渋沢栄一翁が残した名言の中に「夢七訓」がある。夢七訓は、『夢なき者は理想なし、理想なき者は信念なし、信念なき者は計画なし、計画なき者は実行なし、実行なき者は成果なし、成果なき者は幸福なし、故に幸福を求むる者は夢なかるべからず』というもの。皆さんは自分なりの夢を見つけ、それを持ち続けてほしい。
2つ目は『謙虚に学び続ける』ということ。そして3つ目は『失敗を恐れず勇気をもって挑戦すること。多様な価値観、自由な発想、そしてデジタルネイティブ世代の吸収力と柔軟性を発揮し、今と未来をつなぎ、当社グループの輝く未来を創造してくれることを心から願っている」と伝えた。
東ソーの桒田守社長は、「当社は新たな困難に立ち向かっている。それは「成長」と「脱炭素」の両立を実現すること。入社された皆さんが、この非常に困難だが、間違いなく「やりがい」のある目標に挑戦することを大いに期待している。またこれから仕事を始めていく上で心がけてほしいこととして「常にポジティブに考えてほしい」「目の前の人を喜ばせよう」「いつかのために日々鍛錬」3点をあげた。
日本ゼオンの豊嶋哲也社長は「新社会人の皆さんにお伝えしたい仕事のコツの1つとして「深呼吸」がある。自分が落ち込んでいると自覚したタイミングで、ぜひ目を閉じて大切な人を思い浮かべながら深呼吸をしてみてほしい。皆さんが問題や悩みをものともせずに、気負わず自然体でゼオンの仕事を楽しんでもらえればと心から願う」と話した。
2024年04月08日