東洋紡、大津市に研究所新設 メディカルの開発拠点統合

2024年04月10日

ゴムタイムス社

 東洋紡は4月9日、メディカル製品の開発拠点を統合し、このほど滋賀県大津市の総合研究所に「メディカル研究所」を新設し、4月8日に開所式を実施したと発表した。
 ライフサイエンス事業の成長に向け、医療用膜・プロセス膜や生体適合性ポリマーなど、人々のQOL向上に貢献する製品の開発力を強化する。
 同社は2025中期経営計画(2022~2025年度)において、バイオ製品、メディカル製品などを扱うライフサイエンス事業を重点拡大事業の一つに掲げている。このうちメディカル製品の研究開発体制を強化するため、このほど約20億円を投資して「メディカル研究所」を新設し、これまで総合研究所内の機能膜開発センターと医療機器開発センターに分かれていたメディカル関連製品の研究開発機能をここに統合した。
 これにより、透析治療に用いるダイアライザ(人工腎臓)向け中空糸膜などの医療用膜や、抗体医薬品の製造工程でウイルス除去などに利用するプロセス膜、カテーテルや血液回路チューブなどに抗血栓性や炎症反応の抑制などの特性を付与する生体適合性ポリマー、神経再生誘導チューブやコラーゲン使用人工骨などの医療機器分野において、同社独自製品の開発を加速する。
 また、見学ルートやオープンラボを新たに設置するなど、医療機関や提携先をはじめとするステークホルダーとの共創・協業の推進を目指す。
 4月8日の開所式には、約70名の同社関係者が出席。同社代表取締役社長竹内郁夫氏は、「今後のライフサイエンス事業の成長をリードしていく新たなメディカル製品の研究開発を、皆さんの力でぜひ実現して欲しい」と期待を述べた。

メディカル製品の研究棟「メディカル研究所」

メディカル製品の研究棟「メディカル研究所」

開所式の様子

開所式の様子

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