バルカーは4月9日、AI・ディープラーニング技術のコンサルティングと開発を行うRidge―i(リッジアイ)と、回転機器の振動・超音波センシング全般に対応可能なAI技術を開発し、同技術を搭載した設備異常検知システム「VHERME(ベルム)」を共同開発したことを発表した。
同システムは、バルカーの回転機器に対する異常検知ノウハウとリッジアイのAI技術を組み合わせることによって、機器異常検知における現場ニーズに柔軟に対応できるシステムとなっている。
従来、異常検知システムを開発するには、正常データと異常データの両方を用いてモデル学習する必要があり、加えて、正常と異常の境界を判定する「閾値」の設定には、専門的な知見が求められた。システムのモデル構築に労力を必要とし、運用する上でも、「閾値」の適正管理が難しいという課題があった。
今回共同開発した「ベルム」では、正常データのみでモデルを構築、運用しながらAIが閾値の推奨値を提案する。従来と比較し、モデル構築に係る効率化と運用における課題の解消が期待できる。センサー設置後から1週間で現場運用が可能で、閾値の推奨値をもとに再学習を図り継続的に判定精度が向上する。
なお、同システムはサブスクリプションでのサービス提供となり、今回、オンプレミス版を先行して提供した後、同社の開発する設備点検プラットフォーム「MONiPLAT」(モニプラット)のCBM(Condition Based Maintenance)サービスの一つとして提供予定。
同社とリッジアイは、AI技術を搭載した「ベルム」のトライアルならびに本格提供に向けての開発準備を進めるとともに、他のセンシングへの活用を通じて、引き続きユーザーの安全安心に資するシステム開発を進めていく。
2024年04月10日