為替や値上げで利益は大幅増 タイヤ4社の1~3月期

2024年06月12日

ゴムタイムス社

 タイヤ4社の24年12月期第1四半期連結決算が出そろった。TOYOTIREは減収となったものの、利益面は為替や数量構成などで各社とも大幅な増益となり、過去最高を更新した。
 ◆ブリヂストン
 売上収益は1兆641億1500万円で前年同期比2・0%増、調整後営業利益は1201億7700万円で同2・9%増、営業利益は1177億5500万円で同7・6%減、四半期純利益(非継続事業を含む)は866億200万円で同4・3%減。調整後営業利益の増減要因は原材料で180億円、MIXで20億円、営業費で40億円、その他で204億円の増益要因となった一方、売値で90億円、数量で260億円、加工費で60億円、アルゼンチン子会社で80億円の減益要因で、合計で34億円(除く為替△46億円)の増益となった。
 タイヤ事業は、PSR/LTRの売上収益(小売・クレジットカード事業含む)が5937億円で同4%増、調整後営業利益は646億円で同13%増となった。
 TB(リドレッド事業含む)の売上収益は2347億円で同6%減、営業利益は139億円で同42%減となった。
 ◆住友ゴム工業
 売上収益は2913億6000万円で同5・3%増、事業利益は231億8300万円で同190・7%増、営業利益は206億9600万円で同166・5%増、四半期利益は248億4100万円で同520・2%増となった。売上収益をはじめ、事業利益、営業利益、四半期利益のいずれも過去最高を更新した。
 第1四半期の事業利益の増減要因を見ると、原材料で38億円、数量構成他で111億円、為替で53億円、産業品他で1億円の増益要因となる一方、減益要因は直接原価で22億円、固定費で14億円、経費で2億円、価格で1億円、スポーツで12億円となり、合計で152億円の増益となった。セグメント別では、
 タイヤ事業の売上収益は2440億9200万円で同6・2%増、事業利益は182億7800万円で同845・2%増となった。
 ◆横浜ゴム
 売上収益は2524億1900万円で同23・5%増、事業利益は248億6100万円で同91・0%増、四半期利益は197億9600万円で同104・0%増となった。売上収益、事業利益は24年度第1四半期ベースで過去最高を達成した。
 事業利益の増減要因については、タイヤ事業では為替差で25億円、原料価格で20億円、販売量で3億円、物流費等で36億円、製造原価で4億円、固定費で6億円、YOHTで15億円、YーTWSで38億円の増益要因となり、前年仮需の39億円、価格/MIXの1億円が減益要因となった。さらにMBで7億円、その他で3億円の増益要因で、前年比で118億円の増益となった。 セグメント別では、タイヤ全体の売上収益は2267億2000万円で同26・2%増、事業利益は233億5500万円で同85・8%増となった。
 ◆TOYO TIRE
 売上高が1275億5700万円で同1・2%減、営業利益は259億7500万円で同78・2%増、経常利益は318億8000万円で同101・8%増、四半期純利益は230億5800万円で同111・9%増となった。タイヤの販売本数減少などで減収となったが、重点商品の販売促進に加え、為替や海上輸送費などの外部環境を追い風に営業利益は第1四半期は過去最高を計上したほか、経常利益は四半期ベースで過去最高、純利益は第1四半期で過去最高となった。
 営業利益の増減要因では、海上運賃等高騰影響で59億円、セルビア工場立ち上げコストで12億円、為替で39億円、販売要因で2億円、製造コストで8億円、原材料で1億円の増益要因となった。一方販管費で11億円の減益要因で、タイヤで110億円の増益。タイヤ以外では4億円の増益と計114億円の増益となった。

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