豊田合成は4月22日、除菌用の水銀ランプの代替光源として性能向上が期待されるUV-C(深紫外線)LED において、世界最高水準となる光の出力を実現したと発表した。
2024年4月には国内外でサンプル販売を始め、水や空気などの除菌用途での利用拡大を推進する。
UV-C はウイルスや細菌の遺伝子情報を破壊し増殖を抑える効果があるため各種除菌に用いられている。除菌用の水銀ランプと比べ、UV-C LEDは水銀フリーで環境負荷が低く、小型かつ長寿命といった利点があることから、コロナ禍で空気や物の表面などの除菌機器向けに利用が広まった。しかし照明用のLEDとは組成などが異なることから出力に課題があり、浄水場など高い除菌能力が必要とする場面では現在でも水銀ランプが使われている。
このたび同社は長年培ってきた青色LEDの結晶化・設計技術を応用し、1チップで200ミリワット級の光の出力(350ミリアンペアの電流での駆動時)を実現したUV-C LEDを開発した。LEDの素子構造などを改良し、取り出せる光の量を約4倍に増やしている。除菌能力が約3倍に高まるなど、将来的な水銀ランプの代替も含めてUV-C LEDの活用領域が拡大、より衛生的で安心・安全な暮らしの実現に貢献する。
2024年04月23日