住友ゴムは4月23日、同社グループの天然ゴム調達会社であるSUMITOMO RUBBER SINGAPORE PTE.が、伊藤忠商事が進める天然ゴム業界の持続可能性向上を目指す取り組み「PROJECT TREE」に3月から参加したことを発表した。同プロジェクトへの参加により、天然ゴムのサプライチェーンの透明性および持続可能性向上への取り組みを加速する。
天然ゴムは、世界消費量の約70%がタイヤに使用される、現代社会に欠かせない天然資源である一方、タイやインドネシアなどの東南アジアを中心とする世界生産量の約85%を小規模農家に依存している。従来の小規模農家自身による農園管理には限界があり、違法伐採、人権問題、未熟な農業技術などの懸念がある。
同社グループは、これまでも持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指し、さまざまな取り組みを行ってきた。中でも主力商品であるタイヤの主原料となる天然ゴムを持続可能な資源とすることは非常に重要な課題と認識しており、天然ゴムのサプライチェーンをマッピングすることが可能なアプリケーションソフトを活用したリスク評価・低減活動を実施するなど取り組みを推進している。
今回「PROJECT TREE」に参加することで、サプライチェーンの透明性および持続可能性向上の取り組みをより一層推進する。同プロジェクトを通じて、小規模農家の持続可能性に対するリスクの把握・改善活動や収量増加のためのキャパシティビルディングなど、小規模農家の支援活動を推進する。また、ブロックチェーン技術を活用し、トレーサビリティに優れた「TREE+(プラス)ゴム」の調達を通じて、欧州の森林破壊防止規則に対応していく。
同社は2023年3月に、タイヤ事業における独自のサーキュラーエコノミー構想「トワノワ」を発表した。「トワノワ」はバリューチェーン上の5つのプロセスからなる「サステナブルリング」と各プロセスから収集したビッグデータを連携させる「データリング」で構成されており、二つのリング間でデータを共有・活用することで新たな価値提供を目指す。
「トワノワ」の「材料開発・調達」プロセスにおいて、天然ゴムの持続可能な原材料調達を目指している。引き続き、サプライチェーンをはじめとしたステークホルダーと連携した取り組みを積極的に推進し、天然ゴムの持続可能な社会の実現を目指していく。
2024年04月24日