信越化学工業の24年3月期連結決算は、売上高が2兆4149億3700万円で前期比14・0%減、営業利益は7010億3800万円で同29・8%減、経常利益は7872億2800万円で同22・8%減、当期純利益は5201億4000万円で同26・6%減となった。
シリコーン事業が含まれる機能材料事業の売上高は4252億円で同14%減、営業利益は850億円で同35%減となった。汎用製品群で中国経済の不振に起因する在庫調整や市況軟化が続き、期後半にその影響が強まった。それに対し、機能性の高い製品群の販売を増やすことで収益を補うことに努めた。タイ所在のシリコーン(ポリマー)製造設備に係る減損損失105億円を計上した。
生活環境基盤材料事業の売上高は1兆102億円で同23%減、営業利益は3219億円で同41%減となった。 塩化ビニルは、中国メーカーによる輸出圧力が収まらない状況が続いたが、価格水準の維持に努めた。か性ソーダも同様に価格維持に努めた。
電子材料事業の売上高は8504億円で同3%減、営業利益は2721億円で同10%減となった。半導体市場は一昨年秋以降の調整局面が続く一方、底打ちの兆しが表れた。その中でシリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス等の半導体材料を計画通りに出荷することに注力した。
25年3月期連結業績予想は、現時点で合理的な算定が困難であるため公表していない。
2024年04月26日