出光興産、中外製薬と開始 油化CRで共同実験

2024年05月01日

ゴムタイムス社

 出光興産は4月30日、中外製薬と共同で、医薬品の製造工場で発生する使用済みプラスチックの再資源化(油化ケミカルリサイクル)に向けた実証実験を開始すると発表した。
 同実証実験では、中外製薬のグループ会社である中外製薬工業の浮間工場で発生する使用済みプラスチックを原料として、同社の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパンが、油化ケミカルリサイクル技術により生成油を生産する。同社はこの生成油を石油化学製品や燃料油の原料として利用可能かを確認するとともに、使用済みプラスチック再資源化の可能性を検証する。
 将来的には、同社の石油精製・石油化学装置を活用し、医薬品製造工場で発生する使用済みプラスチック由来の生成油を原料とした「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」の生産を目指す。
 同社は2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年ビジョン「責任ある変革者」、2050年ビジョン「変革をカタチに」を掲げている。2022年11月に発表した中期経営計画(対象年度2023~2025年度)では、「一歩先のエネルギー」「多様な省資源・資源循環ソリューション」「スマートよろずや」の「3つの事業領域」の社会実装を通して「人々の暮らしを支える責任」と 「未来の地球環境を守る責任」を果たしていくことを表明した。
 医薬品製造工場で発生する使用済みプラスチックの再資源化の取り組みは、同社が中期経営計画にて表明した3つの事業領域のうち「多様な省資源・資源循環ソリューション」の社会実装に向けた取り組みの一環となる。
 同社は同実証実験を通じて、カーボンニュートラルおよび循環型社会の実現に向けて取り組んでいく。

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