クラレは5月8日、車載コネクタ向けにブリスター(加熱により成形品表面に生じる膨れ)発生率を大幅に低減した耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」の耐ブリスターグレードを開発したことを発表した。
「ジェネスタ」は、車載電装部品の表面実装SMT化に伴い、強化銘柄「GNシリーズ」を中心に、リフロー工程適性を有する車載SMTコネクタへの採用を拡大してきた。同製品の従来グレードもブリスターが発生しにくいものの、自動車用コネクタは民生用コネクタに比べ大型かつ厚肉であり、またSMT条件が過酷化することからさらなる耐ブリスター性の向上が求められていた。
同社はユーザーの要望に応えるべく数年間にわたり研究開発を進め、ブリスター発生の詳細なメカニズムを解明し、累計2万回を越える評価と同社独自の配合技術により耐ブリスターグレードを開発した。
「ジェネスタ」耐ブリスターグレードは、既存グレードに比べ、SMTコネクタでのブリスター発生率を大幅に低減、車載SMTコネクタに求められる強度や成形性のバランスに優れ、難燃性規格UL94 V―0認証をはじめ、各種UL認証を取得している。良好な発色性を有するため、高い視認性が求められる車載コネクタに好適で、ドイツの標準色票であるRALカラーをはじめとした調色品対応も可能。車載以外の過酷な環境で使用される産業用途のコネクタなどでも適用可能で、耐ブリスター性に優れるため車載電装部品の生産性を向上しコスト削減に寄与する。リフロー温度や設計の自由度を向上させることで、安全安心かつ高機能なモビリティの実現を支援する。
2024年05月09日