ポリマーテック21号 エンプラの最新動向を追う 「サスティール®」(PPS)の自動車用途展開

2024年05月09日

ゴムタイムス社

*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。
*記事で使用している図・表はPDFで確認できます。

特集1 エンプラの最新動向を追う

「サスティール®」(PPS)の自動車用途展開

東ソー㈱ 尾﨑 想

1. はじめに

 ポリフェニレンスルフィド(PPS)は、高温環境下での長期使用に適した耐熱性(連続使用温度は200~240℃)、フッ素樹脂に匹敵する耐薬品性(200℃以下でPPSを溶解する溶剤は無く、各種化学薬品に対し安定)、難燃剤を必要としない自己難燃性、使用環境において安定な寸法特性や機械特性など、多くの優れた特性を有する熱可塑性エンジニアリングプラスチックである。これらの特長を活かし、金属、熱硬化性樹脂の代替材料として、自動車部品、電気・電子部品、水周り・住設機器などに使用されてきた1)。近年では、車の電動化に伴い、自動車部品での用途が拡大しており、需要が伸長している。
 当社は、市場の要求に応えるべく、様々な新グレードを開発、上市してきた。本稿では、当社のPPS

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