タキロンシーアイの24年3月期連結決算は、売上高が1375億8100万円で前期比5・6%減、営業利益は62億2800万円で同7・5%増、経常利益は65億100万円で同9・8%増、当期純利益は51億200万円で同107・4%増となった。
建築資材事業セグメントは、売上高が444億200万円で同0・9%減、営業利益は29億8300万円で同20・1%増。住設建材事業は、原材料価格や物流費上昇に伴う製品値上げによる増収効果やインバウンド回復等によるサイネージ需要の拡大もあったが、新設住宅着工戸数の減少に加え、建設資材や飼料価格の高止まりによる畜産業界の設備投資減少の影響を受け、住宅・非住宅物件への販売が回復せず、事業全体では減収となった。
床・建装事業は、欧州における建装資材の回復が遅れているものの、堅調な豪州市場に加え北米は徐々に回復基調となった。国内マンション改修市場における床材も堅調に推移したことに加え製品値上げ効果もあり、事業全体では増収となった。
環境資材事業セグメントは、売上高が540億3900万円で同1・4%減、営業利益は18億8400万円で同518・6%増。アグリ事業は、肥料市況の低迷や各種農業資材の高騰による生産者の買い控えが継続し、ハウス関連資材の出荷も低調に推移したため高機能材事業は減収減益減収となった。インフラマテリアル事業は、ハウエル管の需要が回復し、回転成形製品および土木シート・シールドは旺盛な需要により好調を維持したため、事業全体では増収となった。
高機能材事業セグメントは、売上高が204億8000万円で同9・9%減、営業利益は17億3100万円で同33・5%減。高機能材事業は、スマートフォンをはじめとしたメモリ需要が回復したことにより、電子回路基板向けのナノ材料は前年を上回ったが、半導体メーカーの設備投資抑制が継続し、製造装置向け工業用プレート、エンプラ材は低調に推移した。また、民生用機器などの在庫調整による影響が通年にわたり継続したマイクロモータも前年を下回り、事業全体では減収となった。
機能フィルム事業セグメントは、売上高が178億2000万円で同20・6%減、営業損失は3億400万円(前年同期は1億2600万円の営業利益)。包材事業は、第4四半期に入り回復の兆しがみられるものの、主力の北米市場で流通在庫調整の長期化により北米・南米における生産販売が低水準となり、シュリンクフィルムは大幅な減収となった。ジッパーテープも国内・海外ともに低調に推移し、減収となった。
25年3月期の連結業績見通しについては、売上高が1450億円で同5・4%増、営業利益は76億円で同22・0%増、経常利益は76億円で同16・9%増、当期純利益は56億円で同9・7%増を見込んでいる。