積水化成品工業の24年3月期連結決算は、売上高が1302億6500万円で前年同期比4・5%増、営業利益は12億6100万円で同59・0%増、経常利益は27億3300万円で同288・1%増、当期純利益は10億8300万円で同139・4%増となった。
セグメント別では、ヒューマンライフ分野の売上高は491億300万円で同6・7%減、セグメント利益は17億8700万円で同30・9%減となった。食品容器用途は食材価格の値上げの影響などを受け需要は伸び悩んだ。農産用途は天候の影響による生育不良により出荷が伸びず、水産用途は漁獲量の減少傾向が継続し低調に推移した。売上高は価格改定による増加はあったが、全体的には前年を下回る結果となった。
主力製品である「エスレンシート」の売上数量は数量を伸ばした。「エスレンビーズ」の売上数量は全体では前年より減少した。
利益面では、原価低減や固定費削減、販売価格への転嫁、また物流費の低減などを図ったが、売上数量の減少により減益となった。
インダストリー分野の売上高は811億6100万円で同12・6%増、セグメント利益は23億6300万円(前期は4億円の損失)となった。年度前半の部品不足、年度後半の能登半島地震の震災影響などによる自動車の減産影響があったものの、通年では自動車生産台数の回復を背景に順調に推移した。部品梱包材用途では、前年度大きく伸長した電動部品梱包用途での需要が一巡し前年を大幅に下回ったが、トヨタ自動車株式会社の電動部品物流用途のリターナブル資材に採用された「ピオセランRNW」の市場投入が進んだ。欧州のProseatグループは業績は大幅に回復が進んだものの赤字が継続している。
エレクトロニクス領域では「テクポリマー」(有機微粒子ポリマー)の液晶パネル等の光拡散用途では、液晶パネルメーカーの在庫調整が解消され順調に推移した。液晶パネル搬送資材用途での「ピオセラン」は、台湾で需要回復も、中国では前年を下回った。
医療・健康領域においては、「エラスティル」は通年での売上は前年を下回った。「テクノゲル(STーgel)」は、検診需要の回復に伴い対極板などの医療用途は堅調に推移しましたが、低周波治療器用パッドなどの健康用途は末端での需要が奮わず低調に推移した。
25年3月期の連結業績見通しは、売上高は1320億円で前期比1・3%増、営業利益は25億円で同98・2%増、経常利益は22億円で同19・5%減、親会社株主に帰属する当期純利益は8億5000万円で同21・6%減を見込んでいる。
2024年05月14日