ポリプラスチック事業は減収 ダイセル、24年3月期

2024年05月10日

ゴムタイムス社

 ダイセルの24年3月期通期連結決算は、売上高が5580億5600万円で前期比3・7%増、営業利益は623億9300万円で同31・3%増、経常利益は683億9600万円で同31・4%増、当期純利益は558億3400万円で同37・2%増となった。売上高とEBITAは過去最高を更新した。
 セグメント別では、エンジニアリングプラスチック事業の売上高は2268億2100万円で同4・7%減、営業利益は183億100万円で同27・7%減となった。POMやPBT樹脂、LCPなどポリプラスチックスの事業は自動車部品の在庫調整が第2四半期初めまで続いたこと、IT関連産業の需要低迷などで販売数量が減少し減収となった。ABS樹脂、エンプラアロイ樹脂などのダイセルミライズの事業は、OA分野での需要減少などで減収となった。
 24年3月期のポリプラスチックス事業は、顧客の在庫調整の終了に伴い、第2四半期から自動車部品用途の需要が回復する中で、ローエンドマーケットへの販売拡大などの販売数量リカバリー策を実施した。需要回復の遅れているLCPを除いて、ほぼ前年度並みの販売数量を確保した。
 マテリアル事業の売上高は1853億4100万円で同15・3%増、営業利益は427億4100万円で同106・3%増となった。利益は販売価格の是正や為替の影響などで減益となった。
 25年3月期通期の連結業績予想は売上高が6100億円で前期比9・3%増、営業利益は650億円で同4・2%増、経常利益は670億円で同2・0%減、当期純利益は580億円で同3・9%増を見込む。エンジニアプラスチック事業の売上高は2600億円で同14・6%増、営業利益は237億円で同29・5%増を予想する。
 今期のエンプラ事業では、ポリプラスチックス事業で進めるPOM、LCP、COCの増産投資の確実な収益化に向けた施策に取り組む。同社が5月9日に開催した決算説明会でポリプラスチック事業の増産投資について問われ、「POMは

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