フィルム減収で減益に アキレスの24年3月期

2024年05月14日

ゴムタイムス社

 アキレスの24年3月期連結決算は、売上高が786億700万円で前年同期比5・2%減、営業損失は9億5800万円(前期は7億1300万円の営業損失)、経常損失は1億7100万円(前期は1億1700万円の経常損失)、当期純損失は82億1000万円(前期は12億400万円の当期純損失)となった。
 シューズ事業の売上高は104億2000万円で前期比8・5%減、セグメント損失は8億4100万円(前期は9億7100万円のセグメント損失)となった。世界有数のランニングシューズブランド「BROOKS(ブルックス)」が好調に推移したが、その他の商品群の回復が遅れ全体では前年売上を下回った。
 プラスチック事業の売上高は400億4700万円で同5・2%減となり、セグメント利益は主にフイルムの大幅減収による粗利減の影響などにより、9億9100万円で同49・2%減となった。そのうち、価格改定を含めた中間財の売上高は、375億1800万円で同4・8%減だった。車輌内装用資材は、中国市場は苦戦したが、国内および北米市場では自動車メーカーの生産が回復し、好調に推移。フィルムは国内外の流通在庫調整によりエレクトロニクス分野、医療・医薬分野が大きく低迷したほか、長引く欧州の景気低迷によりエクステリア用フィルムも伸び悩み、低調に推移。建装資材は、床材が大型物件の受注やホームセンタールートの拡販により好調であったが、壁材が市況悪化の影響を受けて伸び悩み、全体では低調に推移した。消費財の売上高は25億2900万円で同10・1%減。国内向けレスキューボートは好調だったが、救助用エアーテントおよび米国向けボートが苦戦し、低調に推移した。
 産業資材全体の売上高は281億4000万円で同4・0%減、セグメント利益は14億2000万円で同59・8%増となった。そのうち、中間財の売上高は272億3000万円で同4・4%減。ウレタンは日用雑貨品や寝具向けの伸び悩みにより、低調に推移した。断熱資材では、ボード製品は非住宅、戸建て向けは好調に推移したが、パネル製品、システム製品、スチレン製品が苦戦し、全体では低調に推移した。なお、原材料価格・エネルギーコストの高止まりや持家の住宅着工戸数の減少傾向など厳しい市場環境により、前連結会計年度における将来の損益計画の見積りに用いた仮定のうち将来の戸建て向けの販売数量の見直しを行った結果、収益性が低下し、短期的な回復は難しいとの判断により、減損損失を特別損失に計上した。工業資材については、半導体ウエハー搬送用部材が国内、海外向けともに低調に推移した。
 25年3月期連結売上高は840億円で前期比6・9%増、営業利益は2億円、経常利益は5億円、当期純利益は3億円を見込んでいる。

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