東洋紡の24年3月期連結決算は、売上高が4142億6500万円で前期比3・6%増、営業利益は89億9500万円で同10・6%減、経常利益は69億6200万円で同5・6%増、当期純利益は24億5500万円となった。
セグメントのうち、環境・機能材の売上高は1153億円で同4・1%増、営業利益は47億円で同15・3%増となった。樹脂・ケミカル事業のうち、エンジニアリングプラスチックは自動車生産の回復により販売を伸ばし、加えて製品価格の改定が進んだ。工業用接着剤バイロンは、中国向け電子材料用途の販売が低調だった。
フィルム・機能マテリアルは、売上高が1565億円で同7・2%増、営業利益は27億円で同65・6%増。包装用フィルム事業では、原燃料価格高騰を受け、製品価格の改定を進めたが、需要回復の遅れにより低調な荷動きが続いたことに加え、新機台の立上げ費用が嵩んだ。 工業用フィルム事業では、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”は強い需要に牽引され、販売を大きく伸ばした。セラミックコンデンサ用離型フィルムはサプライチェーン全体における在庫調整の影響を受け、本格的な需要回復に至らず苦戦した。
25年3月期の連結業績予想については、売上高は4350億円で前期比5・0%増、営業利益は170億円で同89・0%増、経常利益は115億円で同65・2%増、当期純利益は26億円で同5・9%増を見込んでいる。