櫻護謨の24年3月期連結決算は、売上高が133億5300万円で前期比24・9%増、営業利益は11億3600万円で同166・9%増、経常利益は11億500万円で同170・4%増、当期純利益は7億3300万円で同133・5%増となった。航空・宇宙、工業用品事業における受注回復に加え、消防・防災事業において資機材関連の受注が当初計画を上回ったことから、大幅な増収となった。
利益面では、円安の影響を含む原材料価格の高騰などはあるものの、工場稼働率の向上と大幅な増収を受け、業績回復に伴う従業員の賃金等の待遇改善を進めつつ、増益を達成した。
セグメントのうち、消防・防災事業の売上高は87億1800万円で同28・8%増、営業利益は8億7100万円で同109・8%増となった。
消防ホース・消火栓ホースは、第3四半期まで順調に推移していたが、第4四半期では販売数量が減少している。大口径ホースは、エンドユーザの大口更新案件があったことから売上高は増加した。資機材では、第1四半期に前期持ち越し案件と安全対策資機材などの大口案件が重なり販売増となったことに加え、第4四半期にも救助資機材や安全対策資機材の販売が大幅に増加した。
航空・宇宙、工業用品事業の売上高は41億3800万円で同20・8%増、営業利益は5億2100万円で同104・2%増となった。
航空・宇宙部門では、前期からの受注回復が継続しており、大型機のエンジン部品及び配管類などの金属製品の販売が増加した。そのほか、ゴムシール材などの補用品の販売も増加している。
工業用品部門では、前期に引き続き原油貯蔵施設向けタンクシールの交換需要が多く、販売が増加している。利益面では、原材料価格の高騰などの影響はあるものの、受注の増加に伴い工場稼働率の向上が大きく寄与し原価率が改善したことから増益となっている。
25年3月期の通期業績予想は、売上高が122億円で同8・6%減、営業利益が6億5000万円で同42・8%減、経常利益が6億3000万円で同43・0%減、当期純利益は4億円で同45・5%減を見込んでいる。
2024年05月14日