シール事業は増収増益 NOKの24年3月期

2024年05月14日

ゴムタイムス社

 NOKの24年3月期業績は、売上高は7505億200万円で前期比5・7%増、営業利益は229億1200万円で同49・0%増、経常利益は402億8500万円で同51・7%増、当期純利益は316億200万円で同137・2%増となった。
 5月13日に開いた決算説明会で鶴正雄社長は「中計初年度の23年度は①成長ドライバー、②マネジメント基盤、③人的資本、④経営資源の最適活用の4つの大きな変革をテーマに実行してきた。特に成長ドライバーにおける一丁目一番地の電気自動車向けの売上伸長では、電圧監視向けFPC(フレキ)の受注が確実に積みあがっている」と紹介し、4つの変革のテーマは着実に実行できている。
 セグメント別では、シール事業の売上高は3626億500万円で同4・5%増。営業利益は233億1400万円で同30・4%増となった。自動車向けは生産台数の増加に伴い、国内を中心に販売が増加。一般産業機械向けは中国での不動産不況をはじめとした世界的な景気低迷が長期化し、建設機械向けを中心に販売が減少した。  

 電子部品事業の売上高は3598億3400万円で同7・6%増、営業損失は10億2300万円(前年同期は37億1200万円の営業損失)となった。車載バッテリー用途を中心に自動車向けの販売が増加したことや、スマホ向けの販売は第3四半期以降前年対比で増加し増収となった。営業損失は赤字幅が減少した。
 25年3月期通期業績予想は、売上高が7083億円で前期比5・6%減、営業利益は218億円で同4・9%減、経常利益は300億円で同25・5%減、当期純利益は177億円で同44・0%減を見込む。セグメント別では、シール事業の売上高は3594億円で同0・9%減、営業利益は190億円で同18・5%減、電子部品事業の売上高は3204億円で同11・0%減、営業利益は20億円(前期は10億2300万円の損失)を見込む。
 シール事業では「営業利益率の改善が急務」(鶴社長)となるなかで、中国拠点での現地ローカル向けの事業拡大に向け、現地駐在員を含めた営業力を強化するほか、採算性の低い製品は顧客と対話しながら価格改定を実施する。電子部品事業では黒字定着に向け、バッテリー用途など車載向けの売上を伸ばす戦略を続ける。スマホ事業の季節変動を吸収する収益構造を確立するため、引き続き構造改革を実行する。

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